メディアが報じない参院選挙制度の「隠れた欠陥」〜自民党「圧倒的有利」には理由があった

都市有権者の声はどこへ?
菅原 琢 プロフィール

農村県の1人区が政治に与える影響

農村部が小選挙区、都市部が中選挙区という歪な参院選挙区の構成は、自民党に大きなボーナスを与えるという点において選挙結果に影響を与える。しかしそれだけでなく、都市有権者の声を減衰させるため、政治にも多大な影響を与えているのである。

図表4は、2013年参院選挙区について、有権者数、議員定数、自民党議員に占める1人区、2人区、3人区以上の各選挙区の割合を示したものである。

有権者数で見ると、1人区は全体の3分の1程度の割合を占めている。これが定数不均衡により、議員定数では4割を超え、さらに自民党議員の中では6割強が1人区代表となっている。

このグラフは、参院選挙区において、1人区の有権者はその倍近い割合の議員を政権に送り込むことに成功していることを意味する。

一方、3人区以上の地域(埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪)に居住する有権者は、数で言えば日本全体の4割を占めるにもかかわらず、政権内では半分以下の勢力しか有していないことになる。

選挙区選出とは別に比例区選出の議員もいるが、自民党では選挙区選出議員の半数以下で、地域ではなく業界を代表する議員が多いため、この偏りを埋め合わせることはない。