【参院選】「心地のいい言葉」で国民をダマす候補者たち~このままでは民主主義は機能しなくなる!

古賀 茂明 プロフィール

日本に目を移すと、いまは参議院選挙の真最中。こちらは英国の国民投票とは違い、争点が一つではなく多岐にわたる。たった一つでさえ理解して正しい選択肢を見極めるのは困難なのに、十指に余る問題を理解しろと言われても、普通の人には難しい。それを良く分かっている政治家は、有権者を「騙す」テクニックに磨きをかける。

ある自民党議員の政見放送を聞いていて、思わず呆れた。自民党が重視している憲法や安保の問題には一言も触れず、すべての時間を経済問題に割いた。しかも、耳に心地のよいバラマキ政策ばかり。同様に、ほとんどの候補者は甘い言葉を囁くだけで、有権者には違いがわからない。これでは、たまたま聞いた政見放送や演説で耳にしたバラマキ政策や、さも弱者を思いやっているかのような優しげなフレーズに騙されて投票する人が、たくさん出てしまう。

一方で、「騙されない」有権者からすると、嘘八百の公約を聞けば聞くほど、馬鹿らしくなり、投票に行くのを止める。選挙後には、多くの「騙された」人々が失望し、「騙されない」人々に進化する。「どこに投票しても変わらない」と、政治に絶望する層が、また増えるということだ。

こうして投票率は下がり続け、民主主義は機能しなくなる。日本はいま、その坂道を転げ落ちていくところだ。何とか、歯止めをかけるために、自分にできることは何か。自問自答の日々に、終わりが来ることはない。

『週刊現代』2016年7月19日号より