役所は教えてくれない 60以後の「得する働き方/損する働き方」

エッ、働いたら年金が減っちゃうの?
週刊現代 プロフィール

在職老齢年金とは、60歳以上の年金受給世代の人が、厚生年金保険に加入した状態で働いているときに適用される制度だ。

端的に言えば、「厚生年金を受け取っている人が、再び厚生年金の掛け金を払いながら働いた場合」に問題となってくる。岩田氏は、こう解説する。

「非常にややこしい制度ですが、まず覚えておいていただきたいのは、原則として『月あたりの厚生年金と賃金の合計金額が一定額を超えると、年金のカットがはじまる』ということ。この一定額とは、現在60~64歳の方では28万円。65歳以上の方では47万円になります」

先に紹介した宮城さんの例で具体的に見てみよう。宮城さんが再雇用されたのは、62歳のとき。つまり運命の分かれ道は28万円のラインだった。

 

月々の厚生年金が16万円。ここに賃金15万円をもらうようになったので、「厚生年金+賃金」は月31万円。このため、年金カットの憂き目にあうことになってしまった。前出の岩田氏が続ける。

「60~64歳の方の場合、減額分(支給停止額)の計算方法は、厚生年金と賃金の金額に応じて、いくつかのパターンに分けられます。厚生年金が月28万円以下で、月あたりの賃金が47万円以下であれば、支給停止額=(賃金+厚生年金-28万円)×2分の1で計算されます。つまり賃金と厚生年金の合計額が28万円を超えた部分の半分、ということです」

宮城さんの場合は、この計算方式に該当する。支給停止額を計算してみると、(賃金15万円+厚生年金16万円-28万円)=3万円なので、減額分は2分の1にあたる1万5000円だ。その他の場合の計算方法は下の図で解説している。

岩田氏は、こう話す。

「こうしてカットされた分の年金は、後から何らかの形で補填されるわけでもなく、カットされたままになってしまいます。