広島カープ「新・黄金時代」がやって来た!現役コーチたちが明かす「最強打線」の秘密

25年ぶりリーグ制覇へ
週刊現代 プロフィール

石井コーチが続ける。

「田中には、『塁に出てほしい。出たら得点しそうだと、相手に思わせてしまう雰囲気を作ってほしい』と。彼はその役割を全うしようと頑張ってくれている。本拠地・マツダスタジアムの試合後も室内練習場に行き、バッティング練習でフォームの確認をしてから帰宅しています。

菊池にはとにかく『我慢』を求めています。菊池はもともと打席で引っ張るのが得意な選手です。しかし、2番打者は状況に応じて打撃を変えないといけないので、どうしても制約が加わるんです。僕は現役時代、1番も2番も両方経験があり、2番の時はバントが多かった。ただ、『1点をもぎとる野球』を実現するには2番が大切で、『お前のところが重要になってくるから』と伝えました。

菊池の中で自覚があるかどうかわかりませんが、去年までは左方向の打球が多かったのですが、今季は圧倒的に右方向への打球が増えた。バッティングの幅が広がって、(24日に)セ・リーグが再開する前までのヒット数はリーグトップです。意識を変えてくれました。

丸も『ヒットで返さなければいけない』という意識をだいぶ変えてくれた。それは打点に表れている。昨年は63打点に終わりましたが、今季はすでに50打点あげてくれているんです」

昨季も主力として奮闘した3人。ほかの球団であれば、シーズン後の秋季キャンプ参加は免除されるケースもあるが、石井コーチは『1点をもぎとる攻撃力』の意識をたたきこむため、若手に加えてあえてこの3人も強制的に連れて行った。

ただ、ミーティングで選手の意識を変えただけではない。1点をもぎとるためには、最低限、意味のある凡退が不可欠。三振はもっとも避けたい要素だ。しかし、昨シーズンの広島はセ・リーグ最多の1082三振だった。三振を減らし、少しでもバットにあてる可能性を広げるには、どうすればいいか。

石井コーチは、ボールにひらがなや数字を書いた「お絵かきボール」をかごいっぱいに用意した。打者はトスバッティングの要領で構え、正面からあげられたボールを打たず、ボールに書かれた文字や数字を読み取り、声に出すことを繰り返した。

「よりよくボールを見ようとするし、楽しみながら集中して、動体視力を強化したかったんです」

そう明かした石井コーチは、秋季キャンプに参加した野手全員に、1日800~1000スイングをノルマに課した。