トクホに「効果」を期待しちゃダメ!「健康食品」は、健康な人のための食品です

髙橋 久仁子 プロフィール

「効果」=「機能性」はごくわずか

「健康食品」は医薬品ではないため、「効能・効果」的な文言、すなわち「高血圧を改善します」とか「中性脂肪値を下げます」のように書くことはできません。その代わりに「血圧にはコレ!」とか「中性脂肪対策に!」のように、明確ではないけれどなんとなく「体に良さそう」と思わせるあいまいな表現を用いて広告されています。

その広告文言は、どれもとても魅力的です。運動や食事制限などの“面倒くさい”ことをしなくても、「血圧が下がるらしい」「中性脂肪値が改善する?」と期待して利用したくなるかもしれません。でも、食生活や身体活動の改善なしに、血圧や中性脂肪値を良好にしてくれる「健康食品」など存在しません。

機能性を表示できる保健機能食品はどうなのでしょうか?

実は、トクホも機能性表示食品も、病気をもっている人は利用対象者に含まれていません。いくら「血糖値(または血圧)が気になる方に適しています」と書いてあっても、すでに糖尿病や高血圧を患っている人ではなく、あくまでも「血糖値や血圧が“高め”ではあるけれど、病気ではない人」が利用する商品なのです。

また、トクホは消費者庁の審査に合格した製品であり、許可された範囲内で保健効果を記載できますが、その「効果」はほんの少しでしかありません。それにもかかわらず、大きな効果があるかのように誤解させる広告が数多く用いられています。

「厳重な審査を経て許可」されたはずのトクホでさえ、「効果」=「機能性」はごくわずかに限られます。「食品」とはそもそもそういうものなのですから、食品成分に対する「機能性幻想」など、もたないほうがいいのです。

ところが昨年、内閣総理大臣の掛け声のもと、「トクホより簡単に機能性を表示できるようにする」制度が新たにつくられてしまいました。