テレビからCMが消える日〜『報道ステーション』と『笑点』「分刻み視聴率」分析で“ヤバい現状”が明らかになった

スポンサーと局が抱える「矛盾」と「限界」
週刊現代 プロフィール

民放の情報番組制作会社スタッフが語る。

「取材してVTRを作るスタッフは、CMが入るタイミングまで考えている余裕はありません。ですから、不自然なつながりになる。それでも視聴者をつなぎ止めるために、CMに入る前に『衝撃の映像がついに!』と煽りのテロップを入れますが、CM明けには大したことは起きない。そんなことを繰り返しているうちに視聴者も嫌気が差すという悪循環が起きています。

局の幹部は、0・1%でも数字を上げろと言いますが、わずかに上がったところで、番組の広告料金の単価はすでに上がりきっているわけですから、広告収入が上がるわけでもなく、制作スタッフに還元されるわけでもありません。

民放キー局においては、視聴率というのは、もはや局員の評価指標でしかないんです。プライムタイムでどシングル(5%前後)の数字を取ったら、担当を外されてしまうから、10%は確保したいという意味しかないのです」

視聴者の「超高齢化」

もはや視聴率と広告料金は連動していないというのだ。メディアコンサルタントの境治氏はこう解説する。

「ここ5年間を考えると、HUT(総世帯視聴率)が上がった年に放送収入が下がったこともあれば、逆にHUTが下がったのに放送収入が上がった年もあります。企業が使う広告費は必ずしも、視聴率に連動して上下するものではないんです。むしろ、GDPとの連動性のほうが高いと言われています。そういう点でも、これからのテレビCMは厳しいですよね」

一方、現在、視聴率トップを独走する日本テレビの看板番組『笑点』の毎分視聴率の動き方は、前述の報ステとはまったく異なる(右グラフ参照)。

6月12日の放送では、前座である「サンドウィッチマン」のコントが始まった時点で視聴率はすでに15%前後。ここからなだらかに上昇し、番組開始から12分後、大喜利がスタートしたときには20%を超えた。しかもCMの時間を挟んでも、番組終了まで数字が落ちることはなかった。なぜ「CMの谷」がないのか。

「もちろん新司会者である春風亭昇太さん、新メンバーの林家三平さんに注目が集まっていることもありますが、最大の理由は『笑点』の視聴者層が50代以上が約75%であること。高齢者の多くは新しい番組を探すのではなく、『視聴習慣』で見ていますから、CM中にザッピングすることがないんです」(日テレ関係者)

笑点の平均視聴率は同時間帯でブッチギリ。2位の『報道ステーションSUNDAY』(テレ朝)とは最高視聴率で16%の差がある。