「7000人リストラ」シャープは結局、鴻海にダマされたのか?~知っておきたいM&A「後出しジャンケン」の善し悪し

中沢 光昭 プロフィール

文句を言えない厳しい現実

鴻海によるシャープ救済を巡る情報において、一般の方から見ると「リストラしないというようなことを言っていたはずなのに、正式に決定したらもうリストラの話を出してるじゃないか」と感じるかもしれません。

真相は著者も知りえませんが、直近5期のうち4期が営業赤字の会社を、何千億円も投入して買収したのですから、1日でも1秒でも早く様々な手を打ちたいと考えるのは当たり前でしょう。むしろ連日のように出てくる「新しい判断」に即断即決で対処するのが正解。それを後のばしにしてきたからこそ、いまのシャープがあるわけです。

どっちがどう得をするためだなど、色々な推論が飛び交うとは思いますが、まずは結婚した以上は家計のやりくりを早く安定化させてから将来のことをじっくり話し合いましょうということかと思います。

こうした後出しジャンケンを少しでも減らしたいと思うなら、交渉において「降りる」という選択肢を持つことです。交渉をしていて相手に対して不信感が募って、嫌になってきたならば降りればいいのですが、(例えば法的整理に入った場合などとの合理的な比較により)降りるという選択肢を持てなくなった段階で、交渉は優先順位を考えた妥協の連続で行くしかないことを覚悟しなくてはなりません。

原則として雇用は守りますと約束されていても、「よくよく見たらリストラすべき会社だった」と言われてしまうリスクを徹底的に排除しようと思ったら、交渉は成立しなかったでしょうし、後からそう言われても文句は言えないのが厳しい現実です。

買収されるのに慣れている会社はそう多くないと思いますが、今後はM&A案件自体増える事があっても減るとは考えられません。多くの経営者はそうした現実を意識した経営を心がけて欲しいものですね。

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