“誰がやっても同じ”仕事をしないために〜新時代の変革者たちに学ぶ、未来をつくる「5つの法則」

瀧本 哲史

「メイド・イン・ジャパン」から
「メイド・イン・世界」へ

21世紀になって起きたもっとも大きな変化は、「世界」がひとつになったことだ。

いまから数十年前、20世紀までの世界は、国がバラバラに存在していた。

日本人は、日本で働き、日本国内のお客さんを相手に商売する。あるいは輸出産業でも、日本人が、日本国内でつくった商品に、「メイド・イン・ジャパン」の印が押される。自分が日本人であること、そして日本という国で働くことに、たしかな意味があった。

ところが現在、きみたちが日本人であることに、特別な意味は存在しない。

たとえば、ユニクロの服。きみたちも1着くらいはもっているかもしれない。現在、ユニクロで売っている服は、すべて中国やベトナム、バングラデシュ、インドネシアなど、アジア各国の工場でつくられている。れっきとした日本企業の製品でありながら、そこに「メイド・イン・ジャパン」の文字はないのだ。

あるいは、スマートフォンのiPhoneも同じだ。

iPhoneがアップルという会社のスマートフォンであること、そしてアップルがアメリカの会社であることは、きみたちも知っているだろう。ところがiPhone本体のどこを見ても、「メイド・イン・USA」とは書かれていない。

なぜなら、iPhoneを製造(組み立て)しているのは、台湾の鴻海精密工業(日本のシャープを買収した)という会社なのだ。しかもこの会社は、日本やアメリカ、韓国、台湾など世界じゅうのメーカーから部品を集めて、中国の工場で組み立てている。

こうなるともう、昔ながらの「メイド・イン・○○」という発想そのものが通用しなくなってくる。あえて名づけるなら、iPhoneは「メイド・イン・世界」のスマートフォンといえるだろう。