結局、「舛添ショック」は参院選にどれくらい影響するのか?

よみがえる07年のトラウマ
週刊現代 プロフィール

「'07年の悪夢」を思い出す

安倍総理には、「参院選のトラウマ」がある。

第一次安倍政権下の'07年夏に行われた参院選で、自民党が確保した議席はたったの37。党始まって以来の「歴史的惨敗」の原因は、相次ぐ閣僚のスキャンダルと辞任ラッシュだった。

柳澤伯夫厚労相の「女性は産む機械」発言。松岡利勝農水相の光熱費問題と、突然の自殺。松岡氏の後任で「バンソーコー大臣」と呼ばれた、赤城徳彦農水相の事務所費問題。そして、久間章生防衛相の「原爆投下はしょうがない」発言……あのときも、ワイドショーはこれらの報道一色に染まっていた。

そして参院選からわずか2ヵ月後、安倍総理は「体調不良」を理由に辞任してしまう。

「今回、比例だけでなく選挙区でも票を減らして、『自公で過半数割れ』などということになれば、あらゆるメディアに『第一次安倍政権末期の再現だ』と書き立てられるでしょう。安倍総理は、あのときの悪夢を思い出しているはずです。

少なくとも東京選挙区では、かなりの票が減ると覚悟を決めています。知名度が伸び悩んでいる、ウチの二人目の候補の朝日健太郎は、これでいよいよ厳しくなった。小沢一郎(生活の党代表)が画策していた『野党統一名簿』が実現していたら、東京に限らず、もっと悲惨な結果になっていたでしょう」(前出・自民党ベテラン議員)

野党が追及する通り、舛添氏の「製造物責任」は自民党・公明党にある。ただし、安倍総理と舛添氏の折り合いは良好なわけではない。

'14年2月の都知事選でも、総理をはじめ自民党トップは、舛添氏を嫌々ながら支援することを決めた。何しろ舛添氏は、かつて「自民党の歴史的使命は終わった」と捨てゼリフを吐いて党を飛び出した人物。

都知事選の際に、小泉進次郎衆院議員は「応援する大義はない」と反発したが、この時は安倍総理も、内心で「他に見つからないんだから、仕方ないじゃないか」と思っていた。

一度は確執を水に流して応援してやったのに、こんな形で政権運営に大打撃を与え、オレの顔に泥を塗るとは—安倍総理にしてみれば、悔やんでも悔やみきれない痛恨事だろう。

期せずして火蓋が切られた、事実上の「参院・都知事ダブル選」。安倍総理の予想もつかない方向へと、事態は転がり始めた。

「週刊現代」2016年7月2日号より