「舛添はアウト」で「山尾志桜里はセーフ」…この差はどこにあったのか?~政治の世界では、ロジックより大切なものがある

北島 純 プロフィール

野党第一党の政調会長の重責や東京都知事の権限の大きさに比すると、「ガソリン代」の問題や「政治資金でホテルに家族旅行する」ことの適否は、いかにも枝葉末節なことであると思われるかもしれない。

しかし、それは決して「些事」ではない。日本のデモクラシーは、そうした日々の政治資金の支出を、政治家の判断に「あえて」委ねているのである。基本的には「選挙」で、そして選挙と選挙の間は、昨今急速に高まりつつあるメディア等による政治的コンプライアンスのチェックによって、そうした責任を政治家は問われるのだ。

孫文の教えをもう一度

今回の舛添知事のケースは、政治的コンプライアンスの観点から普段の政治資金リスクマネジメントがいかに重要であるか、そして、リスクマネジメントがあってこその危機管理対応だということを示してくれた。

舛添知事は、山尾政調会長と同様に、極めて優れた能力を持つ政治家であるが、孫文研究者としての顔も持っている。その孫文はこう言っている。

「われわれにとって勝敗はつきものであり、去年失敗しても、今年は成功し、今年失敗しても、来年は成功する。一年や二年失敗しても、十年、百年すればかならず成功する」(林要三訳『孫文選集』第2巻294頁、社会思想社、1987)。

今回の経験を踏まえて、現代の政治的コンプライアンスに十分に対応できる政治家として、再び舞台に帰ってくることを期待したい。

北島 純  株式会社グローバルリスク代表取締役社長。東京大学法学部卒業。内閣官房長官、自民党経理局長等の秘書を経て、2013年からBERC(一般社団法人経営倫理実践研究センター)で外国公務員贈賄防止を講義。著作に『解説 外国公務員贈賄罪』、「中国における贈収賄罪の構造と日本企業のリスク対策」(中央経済社)など