「舛添はアウト」で「山尾志桜里はセーフ」…この差はどこにあったのか?~政治の世界では、ロジックより大切なものがある

北島 純 プロフィール

山尾の政治生命を救った一手

実は、山尾政調会長は、疑惑を最初に報じた週刊誌が発売される約2ヵ月半前、2016年1月14日の時点で、自身の政治資金収支報告書に訂正を加えていた。

政治資金規正法は、政治家個人から政治資金管理団体への寄付は1000万円を超えてはならないと規定している。しかし、山尾氏はそれに違反して1144万円を寄付していた。その該当箇所を減額修正したのだ。

この対応こそが、山尾政調会長の政治生命を救ったといっても過言ではない。

政治家個人の寄附制限に違反していたことが、もし週刊誌メディアによって暴かれていたら、他の問題とあいまって、アウトだった可能性が高い。なぜなら、政治家個人による政治資金管理団体への寄附は、第三者が介在しない純粋な会計処理の問題であり、そのうえ寄附額の超過は客観的に明確なので、言い訳がきかないからだ。

政治資金収支報告書に修正を加えた時点で、後のガソリン代問題を予期していたかどうかはわからないが、少なくとも明確な法律違反だった本人寄附の問題について、収支報告書を訂正して違法性を除去するという、まさに先手を打った対応こそが、山尾政調会長を救ったのである。

ガソリン代問題の記者会見では当初、淡々と説明を加えるだけで、自分がなぜ批判されるか分からないといった態度だったのが、側聞するに、会見後の質疑応答で記者から進退についての厳しい質問が飛ぶや、自分が置かれている立ち位置を理解し、即座に「殊勝な態度」に転じたという。子役「アニー」以来のいわば筋金入りの臨機応変な対応力が、危機管理モードでも発揮されたのかもしれない。

しかし、本当に重要だったのは、大手メディアが誰も指摘しない前に、自ら最重要リスクを除去できたという、政治コンプライアンスにおけるリスクマネジメントだったと言える。

これに対して舛添知事はどうか。