綾野剛が惚れこんだ一作!「日本で一番悪い警部」が犯した、警察史上最大の不祥事とは?

稲葉 圭昭

自分の恥をさらす

私が行ってきた違法行為の報いはいつ、どういった形でやってくるのか。長年持ち続けてきた漠然とした不安が、裁判長の言葉をかみしめるうちに、氷解していきました。

「これが警察人生の決着か。私がこれまで犯してきた罪の報いが、こういう形でやってきたのか」

私の行った数々の違法捜査はすべて上司に報告した上で、上司の判断によって進められてきたものです。いまだ報いを受けていない私の共犯者たちの多くは定年まで勤め上げ、ある者は北海道警察の幹部として今でも在籍しています。彼らは恥ずかしくないのでしょうか。

私は自身の裁判で、数人の元上司の実名をあげて、拳銃捜査の実態を証言しました。また、先に述べたおとり捜査や泳がせ捜査など、銃器対策課が行った数々の犯罪行為もあわせて告白しました。

それを私の責任転嫁と指摘する人もいましたが、あのときは、あくまで私の罪を裁く法廷だったので、私自身が道警で関与した犯罪行為を述べたにすぎません。ですから、裁判では「今は何も言うまい」と決めていました。道警の組織的犯罪行為を明るみに出すのは、刑期を満了した後でと考えていたからです。

私は平成23年9月23日に、懲役9年の刑期を終えました。

もちろん、私は「警察組織の犠牲になった」などと、被害者面をするつもりはありません。私は道警銃器対策課で行われた違法捜査の数多くいる実行犯の一人でした。その事実から逃れることはできません。そういう意味で私がこれから記すことは、自らの恥をさらすことに他なりません。

ただ、体験したことを記すことによって、私が警察という組織にどのような使われ方をしていたのかを知ってほしいのです。そして、警察組織が今後どうあるべきか、判断してほしい。それだけを願っています。

警察は私の人生そのものでした。本書によって、警察人生に決着をつけたいと思います。
 

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