綾野剛が惚れこんだ一作!「日本で一番悪い警部」が犯した、警察史上最大の不祥事とは?

稲葉 圭昭

「死にたい、死にたい―」

私の腕や足には、無数の注射痕ができました。覚醒剤のもたらす恍惚に溺れるなかで、薬を体内に流し込むというよりも、針で体を傷つけることが自虐的な快感となっていきました。針を刺しては引き抜いて、また刺す。小さな傷口から血が滲み出てくる様子を眺めながら、「死にたい、死にたい─」と考える。

私は、拳銃と覚醒剤と現金が散らばったアジトの部屋で、死ぬことばかりを考えていました。廃人のようになって暮らす日々は、平成14年7月10日に覚せい剤取締法違反で逮捕されるまで続きました。

私が拘置所で取り調べを受けているときに、元上司の一人が札幌市内の公園で首吊り自殺を遂げました。私の逮捕を機に始まった道警内の内部調査で、その元上司は監察官に相当厳しい事情聴取を受けたと聞いています。

組織ぐるみで行われていた異常な違法捜査の全容を把握していた元上司は、すべてを話すよう要求されたのでしょう。死を選んだ本当の理由を、私は知る由もありませんが、彼も道警の拳銃捜査の犠牲者だと思っています。

また、その約ひと月後、私の逮捕のきっかけを作ったエスも、札幌拘置支所内で壮絶な方法をもって自殺します。彼もまた警察組織に利用され、銃器対策課に殺されたといっても過言ではないでしょう。

二人の犠牲者を出した道警の銃器対策課は、あまりに罪深いと言わざるを得ません。

そして迎えた判決の日。

最後に裁判長が私にこう諭しました。

「あなたには、人として、警察官として、大きく道を踏み外した責任を取る必要がある。服役後は、人として恥ずかしくない生き方をしてほしい」