想像を絶する恒星の「生きざま」~天体物理学がその解明に挑んだ

鳴沢真也『へんな星たち』はじめに
鳴沢 真也 プロフィール

さて、今度は夜空を見上げたときの話です。

みなさんはいくつ星座を知っていますか? 恒星とは、星座をかたどる星でもあります。何年たっても、恒星と恒星の位置関係は変わりません。だから「恒なる星」とかいて恒星というのです。お互いの位置が変わらないので、星座ができたわけです。

一方で、何日も何ヵ月もかけて観察していると、恒星の間を移動している天体に気がつきます。こちらが太陽系内の惑星です。星座の中を「惑う星」なので惑星というわけです。

恒星と惑星には見分け方があります。あなたにウィンクしてきたら恒星、あなたをじつと見つめていたら惑星です。恒星は瞬き、惑星は瞬かないのです。今度、それを意識して観察してみてください。

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ブルーバックス・シリーズを手にされるような方は「宇宙」といえば、ダークマター、ブラックホール、ビッグバン、マルチバースといった、いかにも最先端をいくような話題を好まれるのかもしれません。

恒星というと、夜空のどの星を見ても、明るさに違いはあってもどれも点。配列が変わるわけでもなく、どうにも地味──そんな感じを持たれているかもしれません。

「恒星なんてつまらない」

でも、そう思われている方にこそ、本書を読んでいただきたいのです。

この本は恒星の中でも、とくに変わったものたちに登場してもらいます。

SF映画にも出てこない二つの円盤を持ち、しかも一つが反り返ってしまった星! 大気の組成がかなり異常!? 地球外知的生命のしわざか!? といわれた星! なんとなんと恒星のくせに10光年もの長いしっぽを生やした星! おまえは彗星か!? 墨を吐き出して姿をくらます、まるでタコな星! どんどん膨らんで一時は天王星(いや、ひょっとすると海王星)の軌道ほどにも大きくなったバケモノ星! 爆発したら人類が絶滅するかもしれない星? などなど、奇想天外な恒星たちのオンパレード。

おおげさにいえば、星の数ほどある恒星のなかから私が厳選した、10個の超・超変わり者の星たちです。

地球から見ればただの点にすぎない恒星には、じつはこんなに個性があって、こんなにおもしろいんだ──そう思っていただければ、何よりの幸いです。

「みんなちがって、みんないい」

まさに、金子みすゞの詩にあるとおりなのです。