「炎上」の研究〜ネットが生み出した名もなき”風紀委員”たちの正体

世間は息苦しくなるばかり
週刊現代 プロフィール

今、ある衝撃的な研究結果が話題となっている。初めて本格的に炎上を社会科学の手法で分析した、『ネット炎上の研究』だ。

著者の一人、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター助教の山口真一氏が言う。

「いわゆる炎上は、現在1日に1件を超えるペース、年間400件以上発生しているといわれます。にもかかわらず、『誰がどのように炎上させているのか』という疑問は手つかずのままでした。私たちは、アンケート調査を軸に、その疑問に答えようと考えました」

山口氏らは、約2万人のネットユーザーを対象に調査を行った。その結果は——。

「『炎上とは何か知っている』という人は90%以上いましたが、実際に書き込んだことのある人は1・1%しかいなかった。しかも、過去1年間に炎上騒動に関係する書き込みをした人に絞ると、わずか0・5%しかいない、と分かったのです。

人数にすると、16~69歳のアクティブなネットユーザーおよそ4000万人のうち、1事件あたり平均で約1000人。しかもこれは、『東京五輪エンブレムのパクリ疑惑』のような、超大規模なものも含めた数字です。

個人情報が暴かれたり、ブログに誹謗中傷コメントが大量に寄せられたりするといった中・小規模の炎上では、主な参加者は数十人、場合によっては数人というのが実情です」

この研究結果は、炎上のターゲットとなった人々の実体験とも一致している。前出の山本氏は、「私もネット上で炎上に類するバッシングを受けたことが何度かありますが、アクセス元を調べたり、弁護士を通じてコンタクトをとったところ、執拗に誹謗中傷を書き込んでいたのは特定の5~6人だと分かりました」と話す。