「炎上」の研究〜ネットが生み出した名もなき”風紀委員”たちの正体

世間は息苦しくなるばかり
週刊現代 プロフィール

実は人数は驚くほど少ない

また、5月には大手旅行会社のHISが「『東大美女図鑑』の学生が、あなたの隣に座って現地まで楽しくフライトしてくれるキャンペーン」を発表、即座に大バッシングに見舞われた。

〈大学生をホステス代わりにするのか〉
〈キャバクラと変わらない、下品な企画〉
〈セクハラだ〉

との批判が、主にツイッターを中心に噴出。「どこが悪いのか分からない」と首をかしげる人も少なくない中、HISはキャンペーンの中止を決めた。

近年ネット上では、他の掲示板やSNSなどの書き込み内容をまとめた「まとめブログ」と呼ばれるウェブサイトが多くのアクセスを集め、一大メディアとなっている。そうしたメディアが炎上の舞台となることもしばしばだ。その中でもトップクラス、月間1億2000万アクセスを誇る「はちま起稿」創設者の清水鉄平氏が言う。

「私もブログの読者から『企業からカネをもらって記事を書いているのではないか』といったバッシングを受け、自宅の住所を暴かれたり、小中高の卒業アルバムの写真を全てネットに掲載されるなどの炎上を経験したことがあります。

彼らは標的が屈服したり、一度出したものを撤回したり、謝罪したりすると『勝った』と思うのです。事実、ネット上で彼らが使うスラング(決まり文句)には『また勝ってしまった……』というものがあります。

家でパソコンの前に居ながらにして、大企業や政治家、マスコミを右往左往させるほどの大きな影響力を行使できる。そのことに楽しみを見出しているのだと思います」

有名人を罵倒することや、渦中の人の個人情報を暴くこと、大企業を謝罪させることに快感を覚え、生きがいを見出す「彼ら」——いったい、何者なのだろうか。

はたしてわれわれのそばにも、「彼ら」は何食わぬ顔で暮らしているのだろうか。