「炎上」の研究〜ネットが生み出した名もなき”風紀委員”たちの正体

世間は息苦しくなるばかり
週刊現代 プロフィール

さらには、モデルの平子理沙が自身のブログで「犠牲になられた方々とご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます」と書き込んだところ、

〈(お前が)自殺しろ〉

などと、ほとんど意味不明の中傷コメントが数百件も書き込まれる、炎上状態に陥ったという。

彼らは、まるで自分が社会の「風紀委員」であるかのごとく、他人の言行を一方的に断罪する。匿名で、面と向かっては決して言えない罵詈雑言もぶつけてくる。

いわゆる「ネット右翼」など、ネット上で過激な書き込みや誹謗中傷を繰り返す人々を以前から取材してきた、ジャーナリストの安田浩一氏も言う。

「私もSNSを使って情報発信をしていますが、今まで何度か炎上したことがあります。

たとえばある日、喫茶店でスマホの電池が切れそうなことに気付き、店のコンセントを借りて充電したことがありました。そのことをツイッターに書き込んだら、『電気泥棒!』『なんてモラルのない奴だ』と次々に罵られただけでなく、その店にわざわざ電話をかけて、知らせる人まで現れた。

もちろん、勝手に充電させてもらったのは申し訳なかった、とあとで反省したのですが、あの時は世界中の人が『風紀委員』になってしまったような暗い気持ちになりました」

CMを放映中止に追い込む

世間の話題に上った人の個人情報を暴き、勝手に公開することも、炎上騒動にはつきものだ。

記憶に新しいのは、5月末に北海道七飯町で行方不明になり、6月3日に発見された小学2年生・田野岡大和くんである。

大和くんの父親・貴之さんがマスコミの取材に応じるや否や、ネット上では「特定班」と呼ばれる人々が活動を開始した。彼らは、何か事件が起きるとその関係者の住所・家族構成・交友関係などを調べ上げ、ネット上に公開することを生きがいとしている人々だ。