習近平が次に粛清する「超大物」の名前〜5年に1度の党大会に向けた権力闘争が始まった

ターゲットは中国最大の親日派!?
週刊現代, 近藤大介 プロフィール

李源潮副主席は、先代の胡錦濤時代に党中央組織部長(人事部長)を務め、習近平執行部には一貫して距離を置いてきた。大の親日派としても知られ、5月5日には、訪中した高村正彦自民党副総裁ら日中友好議員連盟訪中団と会見している。

だが、北京でにわかに李源潮失脚説が流れ始めたことで、本人はこの噂を払拭しようと、積極的に自己弁護を始めた。

6月1日の「子供の日」に開かれた児童文学作品販売拡大座談会に、なぜか国家副主席が参加し、習近平主席の重要講話の偉大さを強調。8日には、ケニアのアミーナ外相と会見し、やはり習近平主席が進めるアフリカ重視策を宣伝したのだった。

ただ、習近平・王岐山が首を取ろうとしているのは李源潮ではないという見方もある。元数学教師の李源潮はさしたる利権を持っておらず、習・王ラインが狙うのは、いまだ利権を手放さず、密かに習近平体制転覆を狙う江沢民派の子弟グループだというのだ。たしかに子弟グループは、上海と江蘇省を拠点にしており、説得力がある。

ともあれ次の中国政治のヤマ場は、引退した長老たちも加わって共産党の方針を決める8月初旬の「北戴河会議」だ。習近平主席は昨夏、江沢民派による自身への包囲網を察知し、この会議を直前に中止しており、今年も開かない可能性がある。

来秋の党大会まで、習近平派vs.「団派」、江沢民派の、一時も息が抜けない権力闘争は続く。

こんどう・だいすけ/本誌編集次長。『現代ビジネス 北京のランダム・ウォーカー』コラムニスト。このほど『パックス・チャイナ 中華帝国の野望』(講談社現代新書)を上梓した

「週刊現代」2016年6月25日号より