習近平が次に粛清する「超大物」の名前〜5年に1度の党大会に向けた権力闘争が始まった

ターゲットは中国最大の親日派!?
週刊現代, 近藤大介 プロフィール

李克強首相の年に一度の晴れ舞台と言えば、国会にあたる全国人民代表大会の開幕日にあたる3月5日に、国務院総理として2時間近く演説する「政府活動報告」だ。

ところが今年は、李克強首相が作成した演説草稿に、習近平主席が何と3回も、ダメ出しした。そのため最終的な「政府活動報告」は、李首相らしい大胆な経済改革色は薄れ、「習近平思想」が随所に盛り込まれた。

江沢民はいまだ死なず

すっかり意欲が失せた李克強首相は、何度も草稿を読み間違え、顔が汗だくになった。あげくに決定的なミスを犯した。

「鄧小平の一連の重要講話の精神を深く貫徹する!」

李首相は力強く述べたが、原稿では、「鄧小平」ではなく「習近平総書記」となっていた。

習近平主席を始めとする「太子党」が、「建国の父」毛沢東元主席を尊敬しているのと同様、李克強首相ら「団派」は、「改革開放の父」鄧小平元軍事委主席を尊敬している。そして毛沢東や、その後継者を気取っている習近平のことは心中、快く思っていない。こうしたホンネが、ポロリと露呈してしまったのだ。

この時、壇上に座っていた習近平主席は、苦虫を噛み潰したような顔に変わった。実際、李克強首相が演説を終えると、習近平主席は、恒例となっている首相との握手もせず、李首相を完全無視して、スタスタと壇上から立ち去ってしまった。

5月9日、習近平主席は反撃に出た。共産党中央機関紙『人民日報』に、異例とも言える李克強首相率いる国務院の経済政策を否定するかのような長文の記事を掲載させたのだ。26日にも同紙に、マルクス主義政治経済学の称賛記事を出させた。

習主席は5月17日には、哲学社会科学活動座談会を開催し、20日には中央全面深化改革指導小グループ会議を招集。それぞれ毛沢東思想と社会主義の価値観を強調し、「団派」の「二人の李」を牽制したのだった。