マル暴刑事が起こした警察史上最大級の不祥事!映画『日本で一番悪い奴ら』白石和彌監督インタビュー

綾野剛さん。第69回「毎日映画コンクール」主演男優賞表彰式での一コマ

―綾野さん演じる諸星と、Sと呼ばれる彼の捜査協力者たちが中心となって物語は展開します。このSのキャスティングがたいへんユニークだと思いました

稲葉さんも雑多なアウトサイダーたちと手を結んで、ファミリーのようなチームを形成していきました。映画では彼らを、麻薬の運び屋のDJ、暴力団幹部、盗難車バイヤーのパキスタン人としました。さらにキャスティングは、俳優で固めるよりは、異業種のメンツにした方がいいんじゃないかと考えました。その方が雑多な混成チーム感が出るかなと。

DJ役にはYOUNG DAISさん、暴力団幹部役は中村獅童さん、盗難車バイヤー役は植野行雄(デニス)ちゃんにお願いしたわけですが、DAISさんはミュージシャンだし、獅童さんは映画のキャリアも豊富だけど根っこは歌舞伎役者、行雄ちゃんはお笑いですよね。かなりごちゃごちゃ感は出たかなと思います(笑)。

―ほかにもピエール瀧さんをはじめ、個性的な出演者がそろっています。

ピエールさんは「凶悪」でご一緒してから僕の中ではオールマイティキャラになっていて、ドンジャラの「どら焼き牌」みたいな存在(笑)。今回は諸星に刑事のイロハを伝授する先輩刑事の村井という、ある意味カリスマ性が必要な役をやってもらいました。

音尾琢真君は旭川西高で僕の一つ下の後輩で以前からよく知っていました。お父さんが道警のマル暴の刑事で、稲葉さんともしかしたら働いている時期がかぶっているかもと。

本を読んで「オレ、ちょっと親父が信じられなくなりました」って(笑)。出演をオファーしたら「俺も人の子なんで、道警やるのはちょっと無理です」って言うから、「警視庁なら」ということで、警視庁銃器対策室の国吉役を引き受けてもらいました。

すすきのの高級クラブのホステス、田里由貴役は矢吹春奈さん。彼女は「凶悪」に少しだけ出てもらっています。今回のホステス役は脱いだりしなければならないので、矢吹さんにお願いしたいけれど、さてどうかなと思いました。

ダメもとで頼んでみたら「ぜひやらせてください」と。綾野さんもそうでしたが、二つ返事で引き受けてくれたのは嬉しかったし、ありがたかったですね。