小金井「地下アイドル」ストーカー刺傷事件、こりない警察の大失態

いったい何度同じことを繰り返すのか
週刊現代 プロフィール

警察の無能、あるいは不作為によって起きてしまった今回の事件。思い出されるのは、'13年に東京都三鷹市で起きた悲劇だ。市内に住む女子高生が、元交際相手の池永チャールストーマス被告に自宅で待ち伏せされ、ナイフで刺殺された。

ストーカー犯罪に詳しい、常磐大学元学長の諸澤英道氏が言う。

「あのときも、警察はストーカー被害を相談してきた女性をたらい回しにし、挙げ句の果てに直前に女子高生を一人で家に帰すという不手際をしたために、事件は起きてしまった。わずか3年前、散々批判を受けたのに、警察の体質はまったく変わっていなかったということです。

いったい、何度同じことを繰り返すのか。ストーカー犯罪は、被害が出てからでは遅い。事件化する前に防がなければならないと、いい加減学んでほしい。

SNSがストーカー規制法の対象になっていないというのも、あまりに時代遅れです。殺人を示唆するような危険な書き込みをした人物は、取り調べをするべきです。

人員が足りないなどという言葉は、言い訳に過ぎません。テロの『防止』のためにサミットにあれだけの人員を割いておいて、なぜ被害女性のためにたった一人の警官も出せないのか。警察の責任は極めて重いですよ」

警察はその責任の重さを認識しているのか。本誌は警視庁に今回の事件の一連の対応について見解を聞いたが、

「詳細については、今後の捜査の過程で把握していきたいと考えております」

と答えるのみ。

また、冨田さんの母が娘のストーカー被害を相談していた京都府警にも問い合わせたが、

「被害者の機微に触れることですので、取材は断るように上から言われている」

とこちらも当事者意識に欠ける回答だった。誰も責任を取らず、反省もしない警察という組織。同じ過ちが繰り返されるのも当然だろう。

「週刊現代」2016年6月11日号より