世界的な評価を受ける日本画家が選ぶ「人生最高の10冊」〜芸術性を大飛躍させてくれたもの

石踊達哉さんのベスト10冊

第1位『源氏物語』(全10巻)
瀬戸内寂聴訳 講談社 各2800円
「海外での個展の開催や、名刹からの襖絵の依頼など、その後の活動の場が広がったのは、寂聴源氏のおかげです」

第2位『金閣寺
三島由紀夫著 新潮文庫 630円
1950年、放火によって国宝・金閣寺が焼失した事件を題材に書かれた。「三島31歳の作と知り天才ぶりに驚きました」

第3位『されどわれらが日々―
柴田翔著 文春文庫 540円
「私が東京藝大に入学した'64年に芥川賞を受賞し、一大ブームを巻き起こした。夢中になって読んだ一冊です」

第4位『野火
大岡昇平著 新潮文庫 400円
「『野火』という屏風絵を描いてみましたが、人間の本質に迫る困難を実感しました」

第5位『ひかりごけ』
武田泰淳著 新潮文庫 490円
難破船の船長が、死んだ船員の肉を食べて生き延びた事件をもとに書かれた、問題作

第6位『イメージの狩人』
坂崎乙郎著 新潮選書 入手は古書のみ
「自分を見失いかけた学生時代、むさぼるように読んだ美術評論。ヒントに満ちていた」

第7位『死者の奢り・飼育』
大江健三郎著 新潮文庫 520円
死体処理のアルバイトを描く。大江が東大在学中に発表し、一躍、脚光を浴びた初期作品

第8位『楽園のこちら側』
池田満寿夫作 中央公論社 入手は古書のみ
「おしりだけに着目した写真集。さまざまな表情が興味深く、創作の刺激になります」

第9位『キャパの十字架』
沢木耕太郎著 文春文庫 740円
ノンフィクションの名手が世界的に知られる報道写真『崩れ落ちる兵士』の真実に迫る

第10位『怖い絵』
中野京子著 角川文庫 680円
「誰もが知る名画の裏に潜むぞっとする真実。芸術鑑賞の面白さを伝えてくれる一冊」

『週刊現代』2016年6月18日号より