そもそもトランプはなぜ大統領を目指すのか? 背筋がゾッとする、著名な心理学者の分析結果

並外れた攻撃性を持つナルシスト
笠原 敏彦 プロフィール

大統領の座は人生最大の「戦利品」?

マクアダムズ氏の論文は、こうしたトランプ氏の性向を「戦士のメンタリティ」だと指摘し、このことが「一部の有権者にトランプ氏がアメリカを再び偉大にしてくれると信じさせているのだろう」と説明している。

そして、トランプ氏が大統領を目指す理由についてこう結んでいる。

 

“ドナルド・トランプとは一体何者なのか。役者の仮面の下に何があるのか。私には、自己陶酔的な動機と、いかなる犠牲を払っても勝利することを美徳としている以外には何も見えてこない。

トランプ氏は、自らの社会的地位を高めることにエネルギーを使い過ぎて、人生や国家について意味のあるストーリーを見出せていないように思える。ドナルド・トランプは常にドナルド・トランプを演じ続け、勝つために戦っている。なぜ自分がそうしているのかを決して知ることもなく”

トランプ氏がホワイトハウスを目指す最大の理由は、自らの人生の履歴を完璧に近づけることでしかないのか。

「不動産王」として成功したトランプ氏が、政治への熱意もなく人生最大の「戦利品」として大統領の椅子を狙っているとしたら、アメリカだけでなく、世界にとって不幸なことである

先月開かれた主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)でもトランプ氏は大きな関心を集めたようだ。オバマ米大統領は記者会見で「他国の首脳はトランプ氏について困惑しているようだ」と語っている。大統領選本番に向け、世界のざわめきはますます高まりそうである。

笠原敏彦(かさはら・としひこ)
1959年福井市生まれ。東京外国語大学卒業。1985年毎日新聞社入社。京都支局、大阪本社特別報道部などを経て外信部へ。ロンドン特派員 (1997~2002年)として欧州情勢のほか、アフガニスタン戦争やユーゴ紛争などを長期取材。ワシントン特派員(2005~2008年)としてホワイ トハウス、国務省を担当し、ブッシュ大統領(当時)外遊に同行して20ヵ国を訪問。2009~2012年欧州総局長。滞英8年。現在、編集委員・紙面審査 委員。著書に『ふしぎなイギリス』がある。
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