そもそもトランプはなぜ大統領を目指すのか? 背筋がゾッとする、著名な心理学者の分析結果

並外れた攻撃性を持つナルシスト
笠原 敏彦 プロフィール

適者生存という世界観

トランプ氏は5人兄弟の4番目で、父フレッド氏はニューヨークのクィーンズ地区を拠点にした不動産開発業者でアパートの所有、管理も行っていた。そのエピソードを要約すると次のようなものだ。

父親は週末に子どもたちを仕事の現場へ連れて行った。父親は家賃の回収も自分でやっており、部屋のベルを押すと、ドアの横に身を隠す習慣があった。ある時、治安の良くない地区へ連れ立ったトランプ氏は父に聞いた。“どうしていつもドアの横に立つの?”

すると、父はこう答えたという。“奴らはいきなりドア越しに銃を撃つことがあるからさ” 父親は自らの経験から絶えず用心深く、獰猛でなければビジネスで生き残れないということを学び、息子たちをタフな競争者になるよう仕込んだのだという。

 

トランプ氏は自叙伝で「クィーンズで育ち、俺は相当にタフな子どもだった」「俺は近所でもっともタフな子どもでありたかった」と書いているという。

父親は兄弟の中でもトランプ氏のタフさを見込んで、「killer(難物)」になることを求め、13歳のときに彼を軍隊式教育で知られる全寮制男子校「ニューヨーク・ミリタリー・アカデミー」に送り込み、トランプ氏のタフさは筋金入りになったという。

トランプ氏は1981年にセレブ誌「People」のインタビューでこう語っている。

“人間はあらゆる動物の中で最も非道な存在である。そして、人生とは勝利か敗北かのどちらかで終わる戦いの連続なのだ”

トランプ・ワールドとは、適者生存、強者のみが生き残るダーウィン主義の世界なのである。

論文は、トランプ氏のもう一つの個性として「並外れたナルシスト(自己陶酔者)」の側面を挙げている。

その性格を象徴するエピソードとして、父フレッドさんの葬儀(1999年)でのトランプの振る舞いを紹介。他の参列者がフレッドさんの思い出を語る中、トランプ氏はあいさつで、父親の最大の功績は優秀で名声を得た自分を育て上げたことだと話し続けたのだという。

編集部からのお知らせ!

関連記事