そもそもトランプはなぜ大統領を目指すのか? 背筋がゾッとする、著名な心理学者の分析結果

並外れた攻撃性を持つナルシスト
笠原 敏彦 プロフィール

タブロイド紙「ニューヨークポスト」は4月にトランプ支持を表明しているが、その理由はこうである。

「トランプ氏は不完全だが、可能性に満ちている。政治家たちに裏切られたと感じている全ての米国民に希望を与える」

この主張は、反エスタブリシュメント旋風が吹き荒れる大統領選の行方を占う上で、一つの重要な視点を提供しているように思えてならない。

トランプの「生きがい」

トランプ現象を対岸のリアリティ・ショーとして面白がっている時はとっくに過ぎている。

とは言っても、政策に関する発言をコロコロ変えるトランプ氏は、アメリカでも「ホンネが見えない」としてつかみ所がない人物である。そもそも、筆者には、トランプ氏がアメリカの政治、外交を仕切りたいからホワイトハウスを目指しているようにはとても思えない。

トランプ氏が自らの人生哲学を記した著書「THINK BIG―MAKE IT HAPPEN IN BISINESS AND LIFE(大きく考えろ ビジネスと人生で夢を実現するんだ)」(2007年)で、彼は自らの生きがいについてこんな風に語っている。

“私の最大の情熱の一つは、取引(ディール)を成立させることだ。大きく得点を稼ぐのが好きなんだ。相手をこてんぱんに打ちのめし、利益を得ることに大きな喜びを感じる。なぜかって? それ以上に素晴らしいことはないからさ。私にとっては、セックスよりいいんだ。取引が自分に有利に傾くときの感覚は最高さ。

多くの人が素晴らしい取引とはウィン・ウィンの結果だ、というのを聞いたことがあるだろう。クソくらえだ。素晴らしい取引とは勝つことだ。私は取引で完璧に勝つことが好きだ”

 

トランプ氏については史上最も大統領選を楽しんでいる候補との評価も出ているが、この発想を知れば、その理由がよく分かるだろう。

おそらく、彼にとっては大統領選に勝つこと自体が最大の目的なのだろう。共和党候補指名争いで本命視された候補らを野卑な言葉で罵って次々と葬り去り、民主党候補指名を確実にしたヒラリー・クリントン氏を本選でいかに叩き潰すかの戦術を凝らす。

彼は今、人生最大のディールを楽しんでいるのだろう。