プロ野球「継投の極意」は8回にアリ! 川口和久と西山秀二に聞く最強のバッテリー論

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二宮 清純, 川口和久, 西山秀二 プロフィール

8回に“最強投手”を!

二宮: 新監督の中で、最も評価が高いのは?

西山: 巨人の高橋監督です。ピッチャーをスパンと代えるから、迷いがなくて気持ちがいい。若手の田口麗斗や今村信貴が先発の試合では、序盤や中盤のイニング途中でも平気で代えます。普通やったらその回の最後まで投げさせる監督が多いんだけどね。

川口: どちらかと言うと、野手出身の監督は投手交代が早いですね。

二宮: 14年まで川口さんは巨人の投手コーチを務めていたので、継投の難しさを経験されています。川口さんが継投の際、特に重視していたことは?

川口: 僕は“8回最強論”です。

当時、リリーフ陣のなかでスコット・マシソンが一番速い球を投げていたので簡単には打たれないと思いました。リードしている試合を勝ち切るためには、8回を完璧に抑えて、9回の1アウトを早く取ることが大事です。9回1アウトになると、敵は“諦めモード”に入ってくれるんですよ。

ところが8回に逆転されてしまうと、そこからひっくり返すのは厳しいの。だから8回に一番いいピッチャーを送りました。マシソンを8回に投げさせていたのは、こういう理由からです。

西山: たしかに8回を抑えると、9回は意外とすんなり終わったね。

僕が巨人のバッテリーコーチを務めていた時は、8回は山口鉄也、9回はマーク・クルーンでした。ある時、9回の先頭が左からだったので「そのまま左の山口で行きましょう」と投手コーチに言ったら、「そんなことしたらクルーンがいじけて投げなくなる」と……。

二宮: なるほど。

西山: 僕はクルーンがセーブさえつけば喜ぶことを知っていたので、投手コーチを何とか説得しました。思った通り、クルーンは9回途中の登板でもセーブがつくと万歳して喜んでいましたよ(笑)。