優勝を期待させてくれたマスターズから約2ヵ月。ゴルフファンのみならず、全日本国民が待ち望む「日本人初の米メジャータイトル獲得」の瞬間を見せてくれるのは、やっぱりこの男しかいない!
全米オープンの開催まで4週間となり、米メディア・FOXスポーツが優勝者予想を発表。その4番手に松山英樹の名前が挙がった。
これは、前回王者のジョーダン・スピースより高く、松山の上にいるのはジェイソン・デイ、ダスティン・ジョンソン、ローリー・マキロイの3名。マキロイとジョンソンが今季、まだ優勝していないことを考えると、松山のメジャー制覇の可能性は、かつてないほど高まっていると言える。
「ここまで松山が評価されたのは、マスターズと『準メジャー』の位置づけになる『ザ・プレーヤーズチャンピオンシップ』で優勝争いを経験した事が大きい。さらに、今年の全米オープンが開催されるオークモントカントリークラブが松山に有利なコースであることも、大きなポイント」(米ツアー担当記者)
先月行われたマスターズでは、最終日にパターが入らずスコアを伸ばせなかった松山。以前から、4日間にわたって集中力を持続させることが松山の課題だった。ザ・プレーヤーズチャンピオンシップでも、最終日の最終組でスコアを落としてしまったものの、成長は確実に表れている。
数々のトーナメントで解説を務める沼沢聖一プロが、松山の変化を解説する。
「今季の松山は、ひとつ注目すべき数字を残しています。ボギーやダブルボギーなどを打ってしまった後にバーディを取り返す確率を、『バウンスバック率』と呼びますが、今季は、その数字が31.68%で米ツアーでランキング2位なのです(数字はいずれも5月19日時点、以下同)。
苦しい状況でも盛り返す力がつき、悪いホールがあってもズルズルと崩れることなく踏みとどまれるようになった。これは、大きな成長です」