予約16年待ちの「神の手」直伝! 腰痛を「自宅で自分で」治す方法

高橋由伸や中山美穂も御用達
週刊現代 プロフィール

「腰痛の症状は大きく二つのパターンに分けられます。一つは椎間板ヘルニアなど、前かがみになると痛みが起こるもの。これは腰椎の前側に負荷がかかり、椎間板内の髄核が押しつぶされる形ではみ出て、神経が圧迫されることが原因です(図1)。

もう一つは後ろに反ると痛むもの。こちらは椎間板の変性により、神経が通る脊柱管が圧迫されることが原因です(図2)。  

これまでの腰痛治療では、患者が二つの症状のうちどちらに当てはまるかを判別し、それに合わせた治療をすればよいとされてきました。ですが、現実はそれほど単純ではない。いくら治療を受けても改善に向かわない患者の方々を診断するうちに、二つの症状が混ざり合ったタイプの腰痛の存在に気付いたのです。

腰痛は突発的に起こるものだと思いがちですが、きちんと時系列に沿った『物語』があります。今、腰を反らせると痛みを感じる患者の方が、若い頃に前かがみになると痛みが出る腰痛に悩まされた経験をお持ちだった場合がよく見られます。腰痛のタイプは経年変化し、結果二つの症状が組み合わさったミックスタイプの腰痛が生まれてしまうわけです。だから片方に絞った処置だけでは当然完治しないのです」

「腰痛貯金」を減らす

酒井氏はとりわけ「体を反らす動き」が日本人の腰痛患者の治療には必要だと話す。

「日本人は農耕民族ですから、農作業に必須な前かがみの姿勢が古くから定着していました。また、おじぎやうなずきといったコミュニケーション上の〝前かがみ文化〟も根付いています。そのため、現代でも意図せず前かがみになる姿勢が、私たちの日常生活に染みついているんです。

腰痛の原因となる日常動作の積み重ね、私はこれを『腰痛貯金』と呼んでいますが、諸外国と比べても、日本人はこれを蓄積しやすい。腰痛が国民病といわれる所以はまさにこのためです。だからこそ、体を丸めて反らすストレッチで日々溜まった腰痛貯金を減らしていく必要があります」

それでは具体的に「酒井式腰痛解消ストレッチ」の中身を紹介していこう。

酒井氏が一番オススメしているのが「仙腸関節ストレッチ」(次ページ図参照)だ。このストレッチは、これまで完治の難しかったミックスタイプの腰痛患者にとくに大きな効果を持つ。

「歩いたり、座ったり、物を持ち上げたりといった腰の動きは、背骨の腰部分を構成する『腰椎』と、骨盤中央の仙骨と左右の腸骨の境目にある『仙腸関節』という二つの関節が上手く連携してはじめてスムーズに機能します。

ただ、仙腸関節は正常時でも可動域が狭いので、放っておくと動かなくなりやすい。この状態が腰痛を悪化させる根本原因なので、まず最初に矯正してやる必要があるのです。逆に言えば、この仙腸関節ストレッチはほぼすべての腰痛を治す力があるんです」