原田泳幸、藤森義明…会社を追い出される「プロ経営者」の共通点

そうか、アレが足らなかったんだ
中沢 光昭 プロフィール

なぜ結果を出しているのに、追い出されてしまうのか

言うまでもありませんが、誰を社長にするかは、指名をする人が必ず存在します。多くの場合、それは最大株主や実質の最高意思決定者などです。そうした権力者・実質的なオーナー(以下、実態オーナー)が、なにがしかの理由でその経営者を「気に入ったから」採用し、「気に入らなくなったから」辞めさせている――。身も蓋もないようですが、それが現実だと私は思っています。

指名委員会等設置会社であったり、そのガバナンスが正常に機能している上場会社であれば話は別ですが、そうでもない企業は、たとえ上場していたとしても、実態オーナーは社員や自分以外の株主などの関係者に説明責任を果たすという意識を持っていないことは珍しくありません。

著者の知人の落下傘経営者(取締役)の例では、同時期にやってきた落下傘幹部たちのなかで彼だけがいち早く結果を出してきたがゆえに、他の幹部、そして実態オーナーからも嫉妬のような感情を持たれてしまいました。

器用な人であれば他の幹部たちや実態オーナーへのゴマすりも欠かさずきちんと行っていたのでしょうが、彼はそうした行動をあまり取りませんでした。「そんな暇があるなら社員と向き合うことに時間とエネルギーを使う方が良い」という理屈でしたが、その間に他の幹部は実態オーナーの元に日参し、彼についてのネガティブな情報をあることないこと一所懸命レポートしていたのです。

結果として、彼と社員以外の関係者の利害(?)が一致することになり、追放されてしまったのです。

ここで注目すべきは、なぜ実態オーナーが、結果を出している経営者に対してネガティブな感情を抱くのかということです。先の例でも実態オーナーが少し社員に確認すればすぐ真偽はわかったはずですが、そうはしませんでした……。不思議ですよね。