世界的にもこんなの異常だ! 在日米軍だけがもつ「特権」の真実

沖縄女性遺体遺棄事件から考える
伊勢崎 賢治 プロフィール

「民営化」された戦争

一方で、近年、この仕組みに、プレーヤーがもう一つ加わった。民間軍事会社である。

これは軍属とは違う。米軍と契約関係にあるのは、あくまで、その会社であり、そこで働く個人は米軍の直接的な管理下にない。その業種は、軍事訓練、軍事物資調達、運搬、要人警護等、多岐にわたるが、一番分かりやすいのが傭兵である。

2001年の9.11同時多発テロを契機に始まり、アフガニスタンのタリバン、そしてアルカイダ、今では「イスラム国」を照準に継続している「テロとの戦い」おいてアメリカは、この民間軍事会社を大々的に活用し「戦争の民営化」を進めてきた。そして、それが、地元住民に対して殺傷、拷問等の、数々の非人道的な事件を引き起こし、国際問題を引き起こした。

その主戦場のアフガニスタンで米・NATO軍は、アメリカ建国史上最長の戦争を戦った挙句、軍事的勝利を挙げられず2014年に主力部隊を撤退。その後、残留部隊を置くにあたって、アメリカはNATO軍として、アフガン政府と地位協定を締結した。

アフガニスタンはいまだ戦場なので、軍関係者が基地の外で「公務外」の生活ができる状態にない。だから、この地位協定では、「公務外」の規定はなく、全ての事件が「公務内」として扱われ、第一次裁判権は米・NATO側にある。

しかし、軍事法廷を含むその裁判権の行使全般にアフガン政府関係者を立ち会わせることなど、アフガン側に非常に気を遣う内容になっている。

さらに、米・NATOが契約する民間軍事会社については、全ての事件において、第一次裁判権をアフガン側に与えている。

1960年以来一字一句変わらない日米地位協定には、民間軍事会社の記述はない。しかし、イラクで人権侵害の国際問題を起こした民間軍事会社の一つが、日本で軍属として地位協定の特権を得て活動していたことが分かっている。

この意味で、裁判権における日本の地位はアフガニスタンより低いと言える。