Photo by Dane Deaner on Unsplash

もう寝させません! 人気博士が教える「心をグッとつかむ話」のコツ

95%以上の学生が大満足!

講義中の胸の内

大学教授という職業柄、人前で話す機会は多くあります。

京大理学部での通常講義が年間50回弱あり、そのほか依頼があればどこにでも出かけて授業、セミナー、講演を行っています。2日間で90分授業6回という集中講義を行ったこともあります。

このようにいくらでも話すのですが、そのときいちばん困るのが、授業・講演中に寝られることです。私の話はそんなにつまらないのかと相当へこみます。

私の専門は、生命現象を分子のレベルで解明しようとする分子生物学です。子が親に似るのは、二重らせん構造を持つDNAという遺伝物質を受け継ぐから、ということは皆さんもご存知だと思います。

この遺伝情報をもとにしてタンパク質が産み出されます。タンパク質は、20種類のアミノ酸が数珠つなぎになったもので、生命活動を担う立役者。このタンパク質がきちんと働くように品質管理をしているのが「小胞体ストレス応答」と呼ばれる仕組みで、私が生涯を捧げた研究テーマです。

私たちが今この瞬間生きていられるのは、小胞体ストレス応答が正しく機能しているからといっても過言ではありません。

Photo:iStock

と、ここまでの話で、すでに難しいなぁと感じてしまった人もいるかもしれませんね。私も高校時代は生物学は大の苦手でした。暗記中心の試験科目としか思えなかったからです。

しかし、実際の生命科学の世界はまだまだ謎が多く、つねに新しい発見があり、新鮮な驚きで満ちています。細胞の中では、分子のレベルから生命現象を支える巧妙なメカニズムが働いていて、本当によくできているなぁという感慨でいっぱいです。

そうした生命科学の面白さを伝えたくて、教授になってから12年半ですが、この間に授業・講演中に寝られないような工夫をいろいろと重ねてきました。