伊勢志摩サミットに神経をとがらせる中国
〜怒り心頭で「報復」を準備中

近藤大介インサイドレポート
週刊現代, 近藤大介 プロフィール

中国の怪しい動き

これに怒り心頭の中国は4月30日、岸田外相を北京に呼びつけた。公式の日中外相会談は、実に4年5ヵ月ぶりだったが、釣魚台国賓館で行われた王毅外相との「激論」は、ランチを挟んで3時間20分に及んだ。外務省関係者が続ける。

「王毅外相は対面する際、微動だにせず、岸田外相に自分の前まで来させた。そして岸田外相が握手しようとしたら、しかめ面をしながら、右手のひらをぞんざいに差し出すだけ。そして岸田外相が『ニーハオ!』と笑顔で挨拶しても完全無視。王毅外相はまるで、ミニ習近平を気取っているようでした」

王外相は着席するや、テレビカメラが回る中で次のように言い放った。

「この間、中日関係は、困難な状況が続いたが、その原因は日本側にあることを、あなたはよく分かっているだろう」

この一言に、一段と気まずいムードとなった。

「岸田外相は帰国後、『あの言葉を聞いた瞬間、席を立ってやろうかと思った』と漏らしていました。王毅外相は会談中も、『日本は先の戦争の加害者であることを忘れるな』と言い続けたそうです」(前出・外務省関係者)

結局、9月の杭州G20での安倍首相と習近平主席の日中首脳会談は確定できず、李克強首相が訪日する日中韓サミットの日程も決まらなかった。

安倍首相は本来、伊勢志摩サミットで日本が主導する形で、先進国が足並みを揃えて積極的な財政出動を行い、中国に見せつけるという青写真を描いていた。ところが、GW中に歴訪した欧州で、英国やドイツなどの思わぬ「抵抗」に遭った。

ロンドン在住国際ジャーナリストの木村正人氏が語る。

「そもそもヨーロッパで、アベノミクスはまったく評価されていません。英国は大胆な金融緩和と徹底した緊縮財政を実行し、ドイツはユーロ安などによって、経常収支も財政収支も黒字です。

それに較べて、経済が上向かない日本のことは、衰退していく先進国とみなしているのです」