前代未聞!セコム会長・社長「異常な解任劇」の一部始終

業績は絶好調なのに…
週刊現代 プロフィール

伊藤氏も、「何度かお越しいただいていますけれど、すみません」と恐縮しながら、口は重い。

—少しだけでも話を。

「申し訳ないけどお断りさせてください」

—納得いかないこともあると思うが。

「その辺も含めてお答えしないと決めているので」

—会社との話し合いでそうなっているのか。

「………いずれにしてもお話ししないことにしていますので、すみません。それでお願いします」

言いたいことはあるが、絶対に言わないというか、言えない……二人の態度からはそんな心中がうかがえる。

いずれにしても、解任人事をめぐってこれほどまでに揣摩臆測が飛び交うのは、その決定プロセスがあまりに不透明なことが原因だ。

「今回の人事の発端となったのが、セコムの指名報酬委員会での議論。この委員会は3月に突如設置され、ここでトップ人事の素案が作られて、それが取締役会で承認されて今回の解任人事に至った。しかし、その委員会のメンバーは非開示。社長と会長のクビを切るという重要な人事にもかかわらず、その決定に際して誰が何をやったのかが見えない」(早稲田大学法学部教授の上村達男氏)

社外取締役が答えた

本来であれば人事の決定プロセスの透明性を担保するのが指名委員会の役割のはず。しかし、今回はむしろ決定者が誰かをうやむやにするために委員会が利用されたとの指摘すら出ている。

「さらに今回の問題で注目されるのは、社外取締役の存在です。セコムの指名報酬委員会には社外取締役が入っていて、ここがまず会長に引導を渡そうとしました。これまで多くの会社では社長が社外取締役の選任をやっています。しかし、今回のことで、社外取締役の人選如何によっては予想外の事態が起きてしまうと、ビジネス界には衝撃が走っているようです。

今春に世間を騒がせたセブン&アイHDの子会社トップ人事に関しても、社外取締役が主導する形で鈴木敏文氏の提案が否決され、同氏の退任に至りました」(牛島総合法律事務所代表弁護士の牛島信氏)

社外取締役の仕事とは大局から経営にアドバイスをすることで、通常の業務執行には関与しない。会社の仕事についてよくわかっていない人がトップ人事に権限を持てば、不測の事態が起きるリスクは当然高まる。

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