間違いだらけの「健康常識」〜早寝早起き、運動、半身浴、粗食…

60すぎたら寿命を縮めることもある
週刊現代 プロフィール

早寝・早起きは、昔から健康の秘訣と思われてきた。だが、この「常識」も最新医学の見地からは間違いだ。スリープクリニック調布院長の遠藤拓郎医師はこう話す。

「子供ならば『早寝・早起き』は間違いではありませんが、60代、70代になってくると、『遅寝・遅起き・だらしなく』がよいと私は勧めています。人間の睡眠は、残念ながら歳を取るほど質も落ち、長さも短くなる。2歳児は12時間、20歳でも8時間は眠れますが、70歳になると健康な人でも、睡眠時間は6時間程度になってくるのです」

Photo by Getty Images

ところが、早寝・早起きが正しいと思いこんでいることで、かえって生活のリズムがくるってしまう人が多いという。

「私の患者さんにも、70代で夜7時に寝るという人がいました。すると6時間しか寝られないので、夜中の1時頃には目が覚めてしまう。それからずっと起きていて、早朝に散歩に出る。早起きしているので、次の日はより早く眠くなる。夕方6時に寝て深夜0時に目が覚めて……と次第次第に睡眠のリズムがくるっていくことになってしまう」

よく「寝過ぎるとボケる」などと言うが、年齢を重ねると「長時間寝続ける」ことは通常、難しい。よく見られるのは「昼間でもウトウトしている」人だが、これも危険な状態だ。遠藤医師は言う。

「たとえば深夜の1時などに目が覚めてしまっていると、昼には疲れ切ってウトウトする。すると夜はかえって眠れないのです。

私は、歳を取っても仕事やボランティアなどをして用事を作り、とにかく深夜0時から6時に寝るようにしなさい、と言っています。遅寝でいいから6時間寝て、昼間はウトウトしない。そういう生活がよいのです」

半身浴? それとも全身浴?

早寝・早起きほど「常識」にはなっていないが、近年、ブームになった健康法の中にも落とし穴はある。東洋医学を積極的に取り込む「統合医療」に取り組んできた、東京有明医療大学教授の川嶋朗医師はこう指摘する。

calfPhoto by PhotoAC

「ふくらはぎを揉むという健康法が近年、大きな話題を集めました。高血圧、糖尿病、アトピーやがんなど万病を遠ざけるというのです。しかし、これは危険な極論です。

ふくらはぎを揉むこと自体は、健康法としては理に適っています。心臓から送り出された血液は、ふくらはぎの筋肉がポンプの役割を果たして、足先から心臓に戻される。ですから、ふくらはぎを揉めば血液の巡りはよくなるでしょう。しかし、それで病が治るというエビデンスはありません。

血圧の薬などをやめてしまったりすれば、かえって命の危険もあります。純粋に日頃から血行をよくする健康法だと受け止めるなら、取り組んで損はないでしょう」

他にも、免疫を高め、美容にもつながるとしてメディアでたびたび紹介される「半身浴」も疑わしいと川嶋医師は話す。