間違いだらけの「健康常識」〜早寝早起き、運動、半身浴、粗食…

60すぎたら寿命を縮めることもある
週刊現代 プロフィール

運動は筋力を高め、血行をよくするだけでなく、長寿遺伝子のスイッチをオンにする効果もあると白澤医師は指摘する。

「ただし、それに必要な運動強度は、『うっすら汗をかく程度』。長年、運動を続けてきた人ならともかく、これまでとくに運動していなかった人が、いきなり心拍数を上げて激しい運動をすることにはリスクがあります。ウォーキングやヨガなどがちょうどいいのです」

長生きのためと意気込んで、無理をして走ることは、かえって命取りになる。

実際、『奇蹟のランニング』というベストセラー本の著者で「ジョギングの教祖」と呼ばれた米国のJ・F・フィックス氏は、ジョギング中に心筋梗塞を起こし52歳で急死している。

だが、白澤医師はさらに、歩くだけと思いがちなウォーキングにも注意点があると指摘する。

「週に3回、1回30分歩けば、骨粗鬆症を防げるといったデータもあり、ウォーキングはお勧めなのですが、実は身体によくない時間帯があります。

身体の機能が目覚めていない起き抜けや、空腹時、食事の直後。そして気温が下がる時期には、血圧の上がりやすい寒い時間帯です。気候のいい日、食後1時間ほど経った頃に歩くのが一番です」

朝起きて一番にウォーキングに出かけるという方も少なからずいるだろう。だが、そのタイミングで歩いてはいけない。

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早朝の運動といえば、学校や公園で行われるラジオ体操も一般的だが、これはどうなのか。「ラジオ体操のような動きは筋肉を傷める」という主張も近年、インターネットを中心に広がっている。その真偽について、前出の坂詰氏はこう語る。

「ストレッチの専門家たちの間でも『反動をつけて行うストレッチはよくない』と、ラジオ体操のような動きを否定する意見があったことは確かです。反動をつけると筋肉が反射的に縮もうとする『伸張反射』という現象が起こります。それにあらがって無理に伸ばすことで、ケガをする可能性があるとされたのです」

しかしこの伸張反射、実はゆっくりと筋肉を伸ばした場合にも発生していることが次第に分かってきた。坂詰氏は続ける。

「過剰に勢いをつけるのでなければ、ラジオ体操はとてもお勧めの運動です。ラジオ体操には多くの人が子供の頃から慣れ親しんでいて手軽です。その上、腕を回す、胸を反らす、身体を前後左右に曲げる、跳ぶなどさまざまな動きが含まれ、有酸素運動、バランス運動にもなる。脂肪燃焼や筋力向上が期待できます」

ただし、ラジオ体操がもっとも効果的な時間帯は、早朝ではない。

「人間の体温が一番高くなるのは、夕方の4時から6時頃です。筋肉を伸ばしたり、カロリーを消費するためにはこの時間帯に行うほうが効果は高いでしょう」

歩くにしろ、ラジオ体操にしろ、無理に早起きをして、身体の硬い起き抜けに行うのは、百害あって一利なしなのだ。