血税3兆円がムダに!? 総務官僚が引き起こしたマイナンバーという名の「人災」

カードが発行できない、届かない…
週刊現代 プロフィール

実際、地方自治情報センターは新たにマイナンバーのシステム運営を手掛ける「地方公共団体情報システム機構」と名称変更して、温存することを決定。総務官僚は天下り先を維持できるうえ、さらにマイナンバーで発生する巨額のシステム予算を確保するという「一石二鳥」に成功したのである。

永久に終わらない公共事業

しかし、もともと問題だらけだった住基ネットのシステムを使ってマイナンバーのシステムを構築すれば、また問題が起きて「第二の住基ネット問題」となるリスクがあるというのは素人にでもわかる。そして、実際に「それ」は起きた。

「住基ネットのシステムを無理に活かそうとしたために、中継サーバに不具合が発生し、マイナンバーのシステム全体に障害が発生した。これが年始からのカードを届けられないという大騒動を引き起こしているわけです」(前出・高橋氏)

こうした混乱を生んでいるにもかかわらず、地方公共団体情報システム機構は今春の役員人事で理事らの再任などを決定。実はこっそりと、役員俸給の月額上限と地域手当の支給割合を引き上げてまでいるのだから、開いた口がふさがらない。

機構にシステムトラブルの責任を取るつもりはないのかと質したところ、「今後、システム開発業者から見解を聴取するなどして障害が生じた背景要因を含めて分析することとしており、役員の責任の有無などについてはそれらの検証を踏まえての検討となる」(担当者)とだけ答えた。

かくも杜撰な運営がなされているならマイナンバー制度などやめてしまえばいいと思うのが国民感情だが、総務官僚たちはむしろ利権をさらに拡大しようとしているのだから目も当てられない。

「総務省は『電子政府をつくる』としてマイナンバーの利用対象を拡大していくつもりです。これで潤うのは、特需がもたらされるIT産業だけ。今後、3兆円規模とも言われるマイナンバー市場が生まれると言われていて、関連する民間企業がどんどん増えていく。そして、それらの企業が総務官僚の天下り先候補となっていくわけです」(白鴎大学法学部教授の石村耕治氏)