【激増!】有名レストランを悩ませる「無断キャンセル」問題

~やるせない料理人たちの本音を聞いた
週刊現代 プロフィール

一昔前なら高級料理店は「一見さんお断り」で、会社の電話番号まで伝えなければ予約が取れなかった。しかし最近は、携帯電話一本で予約ができ、「ぐるなび」や「ホットペッパー」などのグルメサイトで店探しから予約まで、ボタン一つで誰でも簡単に有名店を予約できるようなった。

だが便利になり、高級店の敷居が低くなった反面、安易な直前キャンセルや無断キャンセルなどのトラブルが増えているのも事実である。

多くの有名店が利用している予約管理サイトを運営する「TORETA」の担当者が語る。

「最近、接待や会合の幹事役の人が複数の人気店を予約しておき、当日になって接待相手や会合のメンバーにどの店にするか選んでもらい、それ以外の店にキャンセルの連絡をし忘れるというケースをよく耳にします。

おそらく予約された方は、軽い気持ちでキャンセルされたのでしょうが、予定していた売り上げが無くなったお店にとっては、経営に関わる深刻な問題になりかねません」

席数の多い飲食店ならまだしも、席数の少ないこぢんまりとした店になると1組キャンセルが出るだけで死活問題となる。

鮮度が命の鮨屋の苦悩

'15年の『ミシュランガイド東京』で2つ星を獲得した銀座の高級鮨店「鮨 水谷」は、カウンター10席という隠れ家的な店だ。店主の水谷八郎氏は、かの有名な「すきやばし次郎」出身で日本屈指の寿司職人だが、気難しい職人タイプではなく、気さくに話しかけてくれる。大将の人柄に惹かれ来店する客も多い。

だが、有名店になってしまったからこそキャンセルも多いと、水谷氏が嘆く。

「うちの場合、席数が10と少なく予約が取りづらいので、2ヵ月先の予約を受けていますが、そのため予約したこと自体を忘れていたり、日付を間違えていたりする場合が多いんです。たいてい一日に1組のキャンセルが出ますね。実は、ついさっきも当日キャンセルがあったばかり。早い段階のキャンセルであれば、新たな予約を入れるなど対応できますが、当日に連絡してくる『ドタキャン』は本当に困ります。

うちは予約の際に最大4名までという人数制限を設けていますが、4席がキャンセルとなるとその日の売り上げが大幅に減るわけですから、経営的にも相当厳しくなります」