二宮: 不思議とソフトバンクは“ヒール役”にならないですよね。
川口: ええ。ソフトバンクがこけない限りは、他のチームは上にはいけないでしょう。そういえば、この前ソフトバンク戦を見ていて、ロベルト・スアレスは凄かった。
二宮: たしか158キロ右腕というフレコミでしたね。
川口: まず球威が凄い。あとは投げ方がちょっと変わっています。その変な間が、バッターにタイミングを取りにくくさせている。
二宮: 第2のデニス・サファテになりそうですね。ソフトバンクは戦力が豊富です。
川口: そうそうそう。あそこは引き出しがいっぱいありすぎる。だからあの球団は崩れようがない。
西山: ある人が「スアレスのようなピッチャーは2軍にゴロゴロいる」と言うてました。あれだけの戦力があれば、ソフトバンクの強さは当分続くでしょうね。
二宮: さて、いよいよ来週から交流戦が始まります。2005年に交流戦が始まって以来、セ・リーグがパ・リーグに勝ち越したことは1度だけ。昨年のセ・リーグは44勝61敗3分けと大敗を喫しました。これは力の差でしょうか?
川口: いえ、野球のシステムの差ですよ。セ・リーグもパ・リーグと同じようにDHにすればピッチャーは育つと思います。セ・リーグの場合、継投は後々の打順のことを考えて決めなければなりません。投げているピッチャー自身も“次の回はオレに打順が回ってくるから、この回までだな”と計算してしまいますよ。
二宮: たしかにそうですね。半面、ピッチャーの継投は野球の面白さのひとつであるとも言える。監督の腕の見せ所じゃないでしょうか。
川口: その意味では現状のままでいいのかもしれません。だけど、それだと力の差は開く一方ですよ。
二宮: “パ高セ低”は続くと……。
川口: 去年の横浜DeNAは貯金が10個もあったのに、交流戦が終わったら全部使い果たしていました。