金正恩の唯一の友人が明かす平壌「極秘会談3時間」の一部始終 「私は戦争などする気はないのだ」

スクープインタビュー
週刊現代 プロフィール

その言い方を聞いて、7歳8ヵ月の時から遊び相手をしてきた私には、ピンと来ました。

金正恩最高司令官は、朝鮮労働党大会を終えた後、日本との国交正常化を果たしたい。両国間で懸案事項となっている拉致問題と植民地支配の問題を解決したい。

ところが最高司令官にとって、日本人で信じられるのは、私一人しかいないのです。だから、私にやはり、日朝間の架け橋となって、ひと肌脱いでくれと言いたかったのではないでしょうか。

私は、「5月下旬に再訪朝します」と、最高司令官に約束しました。当然、再訪朝したら金正恩最高司令官と直接会って、日朝の問題について胸襟を開いて話そうと思っています。

酒を控える金正恩

宴会の話に戻りましょう。

よく見ると、最高司令官の右側に、ニヤニヤしている男がいました。崔竜海書記(故崔賢〔チェヒヨン〕国防相の次男)ではないですか。崔竜海書記は昨年、失脚したと報道されましたが、健在でした。

私は崔竜海の豪華な自宅にも、まだ入居前に金正日総書記と共に訪れたことがありますし、かつては遊び仲間でした。

「本当に久しぶりだな」

崔書記は、そう言って笑っていました。

乾杯は、前回と同じく、最高司令官の好きな高級ボルドーワインでした。しかし金正恩最高司令官は、グラスを飲み干そうとしません。そこで私が最高司令官の前に進み出て乾杯のポーズを取ると、こう弁解しました。

「何日か前にボルドーワインを10本も空けたら、ちょっと胃の調子が悪くなってな。まあ一杯くらいならいいだろう。藤本も、今日は無理して飲まなくていいぞ」

その言葉に私は恐縮し、改めて謝罪しました。

前回は、11年ぶりに金正恩最高司令官と再会を果たしたため、私は緊張のあまり、フカヒレを数口しか口にできず、その間酒を呷り続けました。そのせいで酔っ払って、会食の最中から寝てしまい、気がついたらホテルのベッドの中にいたのです。

「そんなことはもういい。過去のことだ」

今回は、ほどほどにボルドーワインをいただき、あとはすっかりおいしくなった平壌焼酎を飲みました。