金正恩の唯一の友人が明かす平壌「極秘会談3時間」の一部始終 「私は戦争などする気はないのだ」

スクープインタビュー
週刊現代 プロフィール

宴席には、前回は出席していた「大物」が二人、欠席でした。一人は、'13年暮れに処刑された張成沢〔チャンソンテク〕党行政部長(故金正日総書記の妹婿)で、張成沢の話題はタブーでした。

もう一人は、最高司令官の李雪主〔リソルジュ〕夫人です。最高司令官はこう弁明しました。

「娘('13年年初に生まれた主愛〔チュエ〕)がカゼを引いてしまってな。妻も娘と共に隔離されているんだ」

北朝鮮では、カゼを引いた人間は、治って10日経つまで、最高司令官の前には出られない決まりなのです。

こうして着席すると、最高司令官は太い声で言いました。

「もうこの中に知っている者は、いないだろう?」

テーブルには、計20人近くが着席していました。見知らぬ幹部たちや、与正のダンスの先生らだそうです。

私は金正恩最高司令官を前にしながら、「今回私を呼んだ目的は何だろう?」と、ずっと考えていました。すると、そんな私の心情を察したかのように、最高司令官が私に質問してきました。

「日本では最近、わが国は、どう見られているのか?」

私は一瞬、躊躇しましたが、思い切って正直に答えました。

「最悪です。今年に入ってからも、核実験したりミサイル実験したり……」

「ロケットやミサイルを打ち上げるのは、アメリカのせいだ。アメリカと交渉を始めると、すぐに無理難題を突きつけてくる。

アメリカとの関係は相変わらず険悪だが、私は戦争などする気はないのだ。だからどこにも当たらないように(ミサイルを)打ち上げているではないか。

この私の発言は公開して構わないぞ」

「…………」

「ところで藤本は、政治家になったようだな」

「政治家」とは、どういうことでしょうか。後から考えてみると、これまで寿司職人や幼少時の遊び相手として見てきた私に、これからは日朝に関わる政治家としての仕事をしてほしい、という意味だと思うのです。

私が恐縮していると、半ばからかうような口調で、小声で私に告げました。

「でも、お前とは外交はしないぞ」