石原慎太郎がいま明かす「私が田中角栄から学んだこと」

人を見て、先を見通す天才だった
週刊現代 プロフィール

まあ、しかし、彼ほど先見性に富んだ政治家はいなかったというのが正直な思いでね。彼のような天才がまだ生きていて、政治家として復権していたらと思うことはよくありますよ。

都知事時代、自分がやろうとしてできなかったことはたくさんありますが、もし角さんが元気で相談していたら実現できたかもしれないと思う。

いつか、角さんの墓前で

いまの政治について言えば、世界情勢は緊張していて、日本は身動きのとれない難しい状況に置かれている。

そうした中で安倍(晋三)君は安倍君なりによくやっていると思いますよ。ただ、角さんだったら、もう少し奸智に長けた、いろんな手を打っただろうね。はったりをかまして、米国や中国を恫喝してみせたりもしたんじゃないか。

どっちにしても、これから日本は大変ですよ。ヨーロッパの成熟国家はもう駄目になるだろうし、日本は中国との関係をどうするか。それに、いつまた大震災が起きるかわからない。僕はもうすぐ死ぬからいいけども、子供や孫たちは大変だ。

僕は人気がないから、長生きできました(笑)。人気者はみんな早死にするんだ。いい人でいることを強いられるからかな。裕次郎もそうだし、美空ひばりもそうだし、勝新(勝新太郎)だって老人という年齢じゃなかった。市川雷蔵さんなんて、37歳で死んだんだから。

これはきっと神様の摂理なんだな。だから、おれは長生き。角さんの娘の真紀子さんがうまいことを言ったねえ。「石原慎太郎は暴走老人だ」って。言い得て妙で、自分でも気に入って使わせてもらっていますよ。真紀子さんは、口のうまさでは父親の「天才」を受け継いでいるのかもしれない。

じつはこの本を出した縁で、角さんのお墓参りがしたいんですけど、お墓は新潟の家の敷地内にあるから、入れない。東京にもお墓があるかと思ったら、ないんだな。

せめて目白のお宅にお邪魔して、仏壇があったら拝ませてもらいたいんだけど、どうかなあ。おそらく入れてもらえないんじゃないかな(笑)。

「週刊現代」2016年5月7日・14日合併号より

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