中国経済、調べてみたらやっぱりウソだらけ!~本当のGDPは、公式発表の3分の1!?

髙橋 洋一 プロフィール

 「公式統計」によれば、2012年の固定資産投資総額はおよそ36兆人民元(610兆円)。前年比20%という高い伸びだ。投資の伸びで、この年の成長率も、かなり押し上げられている。

ちなみに、公式発表では2012年のGDP成長率は7.8%になっている。「中国の夢」という大風呂敷を広げただけあって、その年はどんなことがあっても高い成長率を維持しなければならなかった、そういう事情が強くうかがえる。

ところが2013年には景気が息切れしてきた。李克強は懸念を示し、「経済成長を達成させるための経済刺激、政府の直接投資に頼ろうとしても、その余地は決して大きくはない。市場メカニズムに任せなくてはならない」と発言したのだ。

無理に成長を維持しようとするなら、もう一段の投資を行わなければならない。李克強はそれには限界があるとし、低成長の痛みを受け入れるよう求めたのだ。

4年間で約2000兆円の景気刺激策を行った結果…

さらに中国には、2008年の四兆元(約68兆円)投資と、空前の金融緩和による後遺症がある。このとき、リーマンショックによる経済の落ち込みを防ぐための大型投資を行なったのだ。これが奏功し世界経済は立ち直りのきっかけをつかんだが、中国はその後、過剰設備などに苦しむことになる。

しかも四兆人民元のはずだった景気刺激策はその後も続き、2009年からの四年間で、なんと110兆人民元(およそ1900兆円弱)の固定資産投資が行なわれた。過剰な投資は、各地にゴーストタウンを生み出すなど、いまだに負の遺産を遺している。そのような背景もあって、李克強は経済政策の転換を匂わせた。

しかし中国政府内でも、これに同調する容認派と慎重派に分かれた。特に2014年には、全国人民代表大会(全人代=日本の国会に相当)の前に、習近平主席と李克強首相との間で衝突があったという。その年のGDP成長率7%を提案した李克強に対し、習近平は7.5%を主張して譲らなかったというのだ。

習近平の「中国の夢」にこだわる一面だった。さらに一年後の全人代では「7%前後」と、前年より目標値を下げている。しかも「前後」としているところがミソだ。それだけ自信がなかったかとも受け取れる。