松山英樹&スピース 2016マスターズ「魔の刻」に何が起きたか

2人の若武者を襲った悲劇の真相
週刊現代 プロフィール

事実、4番をボギーとすると松山は続く5番、6番でもボギーとダボを叩いてしまう。試合後、この3ホールを振り返って、松山はこう語った。

「あの3ホールが一番苦しかったです。ガマンしきれなかった」

さらに彼はこの日、「もうひとつ、心理的なマイナス要因を抱えていた」と指摘するのは、前出の舩越氏だ。

「パットの感覚のズレです。松山自身も振り返っていましたが、キッカケは、3日目の15番ホールで約12mのイーグルパットを外したことでした。ボールが途中で加速したようで、そこからパットの感覚が狂ってしまったのです。なんとか戻したいと言っていましたが、結局最後までわずかなズレを修正できずに終わってしまいました」

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象徴的だったのは、アーメンコーナーの2ホール目12番から15番までの4ホール。後半に入って、アイアンショットの冴えを取り戻した松山は、その4ホールでいずれもワンパット圏内にオン。しかし、パットがほんの少しずつズレてしまい、最大で5打縮められるチャンスで1打しか縮められなかったのだ。

「横で見ていた限りでは、いつもよりもほんの少し、顔が残らなかった。入れに行きたがって、ヘッドアップしてしまっていたかなと思います。ラインを読み違えていたわけではないだけに、本人は苦しかったでしょう」(芹澤プロ)

試合後、松山は「結果論ですけど、あそこで取っていれば、もしかしたら追いついていたかもしれない」とこぼした。

なぜ、世界トップの選手が、アマチュアですらしないようなミスをしてしまうのか。彼らを襲う「魔」の正体は何か。芹澤氏は「選手が感じるプレッシャー」を挙げる。