マイナス金利なのに「不動産崩壊」が始まっていた〜黒田総裁の楽観論に要注意!

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杉並、世田谷でも危険

メガバンクも怒り出した〔PHOTO〕gettyimages

不動産経済研究所の統計によれば、首都圏のマンションの発売戸数は4ヵ月連続で減少。

マンションの月間契約率は今年1月と3月、景況感の目安とされる70%を下回る水準にまで急落下している。榊マンション市場研究所代表の榊淳司氏も言う。

「渋谷区広尾でも、新築分譲時の中心価格帯が約1億1000万円だった超高級マンションで売りが殺到している。値崩れする前に手放してしまおうという人が急増しているわけです。

しかし、すでに買い手がつかない状況になっている。内見に来る人も、『もっと値下げしてくれないと買えない』と強気の交渉を仕掛けている。今後はこうした中古物件の供給が過剰になっていって、売れ残りが大量に出てくるでしょう」

マンションだけではない。住宅地でも地価下落が始まった。

「3月に発表された国土交通省の公示地価では、全国平均の地価が8年ぶりに上昇したと騒がれましたが、これは三大都市圏や地方中核都市、それも商業エリアが中心で上がったにすぎません。住宅地の地価は47都道府県のうち約7割で下落。東京圏でも住宅地の上昇地点は一昨年、昨年、そして今年と年々減ってきている。神奈川でも横須賀、平塚あたりで価格下落の幅が大きくなってきた」(不動産コンサルタントの平野雅之氏)

不動産は「二極化」が言われてきたが、勝ち組の一極がどんどん負け組のほうへと転じている形である。

「価格下落の波は地方から郊外、そして都心部へと向かっている」(前出・牧野氏)

前出・増宮氏も言う。

「すでに杉並や世田谷などの高級住宅街でも、駅から5分圏内と、10分、20分圏内といったエリアで格差が広がってきた。これから懸念されるのは、大手町や丸の内といった東京の中心エリアです。オフィス空室率は非常に低い水準にあるが、これは古いビルの取り壊しなどの影響が大きく、実需はさほど盛り上がっていない。

そこへきて今回のマイナス金利でオフィス街の『大口借り主』である金融機関の収益が低下してくれば、この先、賃料の値下げ交渉ラッシュが起きかねない。丸の内や大手町で値下げマインドが広まると、その動きが東京全体に波及していく」

マイナス金利なのに不動産はどんどん下がり始めた。この流れはもう止められない。

「週刊現代」2016年4月30日号より