これを受けて、4月からリニューアルされたニュース番組が並ぶ日本のテレビでは、スポンサー企業への配慮も加わって、パナマ文書については「日本関連は除く」報道が続いている。
日本外国特派員協会は、昨年5月創設の「報道の自由推進賞」発表の際、日本では「調査報道」が少なく、報道の自由が危機的な状況に陥っていると警鐘を鳴らした。確かに、日本の大手マスコミは、政府の「発表もの」の記事ばかり流している。
現在、国連の人権理事会から派遣された特別報告者が日本の報道の自由について調査中だ。私も調査に協力しているが、彼の目に日本の報道機関の状況はいったいどう映るのだろうか。
ICIJは5月初めに、今回の情報に含まれる個人や企業のリストとすべてのメール、パスポート、銀行口座、財務資料などの情報を公表する予定だ。その時、大手マスコミがどういう報道をするのか。それを見れば、日本の報道の自由の危機がどれほど深刻なのかがわかるだろう。
『週刊現代』2016年4月30日号より