号泣議員だけじゃない!
地方議員の「税金ドロボー」っぷりがまだまだヒドイ

ワカメを大量購入、わが子に絵本…
佐々木 信夫

「政務活動費」に変わると、政策立法のための調査研究費の支出に限らず、私設秘書、パート職員らの人件費、自宅を含む事務所経費、自分のビラや広報紙の発行費、さらにガソリン代などの交通費、選挙活動まで含む政治活動すべてに支出ができると解釈されるようになった。

ともかく、なぜこうした費用が生まれたか。その背景に触れると、それまで戦後半世紀以上、日本の都道府県、市町村は、中央省庁が決めた事務事業の多くを執行する仕事が8割近くを占める、国の下請け的な存在だった。地方議会はその執行をチェックする役割がメインとされた。

しかしその間、世の中は多元化、多様化社会に急速に変貌した。国がひとつのモノサシで福祉、教育、インフラ、まちづくりを一律化できる時代ではなくなった。

そこで国民生活の身近な行政を扱う地方自治体に大幅に裁量権を認める改革に踏み切った。ある意味、国と地方は役割の異なる対等な政府という考え方から、2000年に関連する475本の法律を一括改正し、自治体の仕事は8割近くが固有業務になるように変えた。

これを地方分権改革と呼ぶが、そのことで地方議員、地方議会の役割は数段高いものになった。チェック機関から、自ら予算、条例、政策、主な契約を決定する立法機関へ。国のことは国会で、地方のことは各地方議会で決める、このパラダイム転換により、2000年以降の日本は分権国家へ変わったとよく言われる。

そこで、政策のレベルアップを図るため、法律で「日本における地方議会の議員が政務調査研究等の活動のために支給される費用」として、国会の立法事務費(1人当たり780万円を会派単位で支給)に準じて、「政務調査費」という新たな費用を条例で設けるよう、市区町村、都道府県の各議会に義務付けたのだ。

それが2012年に政務活動費に変わったということは先述したが、「政務調査費」に「その他」という項目を加えたことで大化けしたのが、世に言われる政務活動費の問題(支出内容への疑問)である。

制度設計としてみると、議員の政策アップ、議会活動の向上につながる政策経費の補助というこの種の話はそう大きい問題はなさそうに見えるが、問題はそれを運用する地方議会であり、地方議員の意識ではないか。制度の趣旨が生かされていないと批判せざるを得ない。

使途の領収書を付けない、黒塗りするという行為が税金の使い方として許されるのか。皆が汗水たらして働いて納めている「税金」を何と心得ているのか、聞きたい。

政務活動費の社会化を図れ

この地方議員のイメージを損ねる、「値を下げる」事実をどう見たらよいか。

筆者は、議員叩きをしようとは思っていない。最近著わした

『地方議員の逆襲』(現代新書)。地方議員、地方議会が変わることが「地方創生」に不可欠

『地方議員の逆襲』(講談社現代新書)は、その逆のことを言おうとして付けたタイトルだ。

このまま地方民主主義が崩壊していくなら、地方創生も何も絵に描いた餅になる。

日本の政治は衰退の一途を辿るのではないかという危機感から、どうすれば「地方議員が値を上げられるか」を求めて書いた本である。

その流れで述べると、政務活動費のあるべき方向は次の諸点になると考える。