号泣議員だけじゃない!
地方議員の「税金ドロボー」っぷりがまだまだヒドイ

ワカメを大量購入、わが子に絵本…
佐々木 信夫

議員1人への政務活動費の交付額(2015年度)は、都道府県では東京都720万円(月額60万円)を筆頭に500万円以上が10都道府県。47都道府県の平均額は421万円。20政令市は横浜市の660万円を筆頭に500万円以上は5市で、政令市全体の平均は396万4000円。人口20万以上の中核市では横須賀市の166.8万円を筆頭に150万円以上が8市。全中核市の平均は113万円である。

これは議員報酬の年額1000~1500万円のほかに支給されるもので、府県や政令市は平均400万円の「第2の政活費」が出ているとみてよい。もちろん、これは「生活費」ではないが、国際的にみて少なくも金額上は極めて厚遇された都市議員像と言えよう。

もちろん、大都市と地方都市、規模の大きな自治体と小自治体では金額が相当違う。人口10万人以下の市町村などは、「私たちの支給額は年間で数十万円ないし十数万円程度。東京の研修会に一度行けば1年分が消える。今の話はヨソの世界」と話す人達も少なくない。

実際はそうした少額派が多数だが、しかし大都市議会の例がマスコミで大々的に報道されると、地方議員全てにそうしたカネが出、そう使われていると国民は思ってしまう。

金額の多寡はともかく、この立法措置により、日本の地方議員は一般の市町村まで政務活動費が出るようになったことから、使い方次第では地方議会の活動が大きく変わり、地方議員の政策力が一気に上がるかに見えた。しかし、事実はどうも違う。

大都市の議員の話だが、なかには新年会、忘年会、業界団体の会合への「会費」にまで使う始末。確かに1ヵ所5000円ないし1万円の会費が掛かる新年会を一晩で数ヵ所掛け持ちする議員にとって、政務活動費が肩代わりしてくれるなら、ありがたいというのがホンネだろう。

しかし、そうした経費を出すために政務活動費があるわけではない。新聞等の報道で事実を知った住民は怒った。宴会の飲食費まで住民が払うのか、税金を何と心得るとの声がわあっと上がった。他の支出も含め説明しきれない問答に窮する場面が各地に広まった。野々村元議員の号泣会見もその1つだ。

ある大都市議会の例だと、使われた政務活動費8億4000万円のうち、支出の第1位が「広報誌発行費」(約3億1000万円)、第2位が雇いあげ職員の給与など「人件費」(約2億8000万円)。これだけで政務活動費全体の7割を占める。

しかも人件費は個人が特定されるとプライバシー保護を理由に領収書の金額や個人名は黒塗りされている。公設秘書制度のない地方議員は、身内の家族や親せきなど身近な人を雇うケースが多く、給与等もさまざまだ。

3番目に多いのが「事務所経費」と称するもの。自宅などに電話、FAX、パソコンを置く部屋を設置し事務所だとしそれに関わる事務所経費を請求する議員も多い。その金額も相当額に上る。

また論外だが、会議費と称し、仲間内の会議の弁当代も1人3000円まで支出可能とし、すき焼き弁当などを振舞う会派まである。問題ではないかと指摘されると、それは議会内、会派内で決めたルールなので適正であるという説明が返ってくる。

「その他の費用」として悪用

モノゴトを見る場合、それは制度の問題なのか、運用の問題なのか、意識の問題なのか、どのレベルが問題なのかを冷静に判断する必要がある。

政務活動費が生まれたのは15年前、地方のことは地方が決める、そうした環境を整えようと行われた地方分権改革に関連してできたもので、当初は「政務調査費」と呼んだ。

その政務調査費が2012年の法改正で「政務活動費」という呼び名に変わった。それまでの政務調査費では使途の範囲が狭いとし、「その他の政務活動に必要な費用」という、あいまいな項目が加わった。

たかが「その他」という一言だが、それによってこの費用の使い方は大きく変貌していく。号泣議員の登場もそのことと深く関わっている。