鴻海を敵視するのは大きな間違い!~台湾歴30年の国際ビジネスコンサルタントが買収の効果を分析

藤 重太

台湾では歓迎ムードだが…

今、世界はIOT(Internet of Things)に向かっている。スマートハウス、スマート家電など新しい白物家電が到来する時代だ。郭台銘には、その先端を走るアップルとのつながりがある。このIOTスマート家電を今後は「アップル」に提供し、「シャープ」というブランドで販売できるチャンスを得たのである。

郭台銘には大きな夢がある。3Cマーケット(コンピューター、カスタマーエレクトロニクス=家電、コミュニケーション=通信機器)の世界制覇である。これらはインターネットの普及と進歩によって、今まである全ての電化製品を変えていく可能性がある。3C市場を誰がいち早く制覇するかに注目が集まるなか、郭台銘はそこに名乗りをあげたのだ。

これはシャープにとっても日本にとっても大きなチャンスではないのだろうか。このチャンスを鴻海グループ率いる「新生シャープ」は、無条件で与えられることになるからだ(今後のパフォーマンス次第、というのはもちろんだが)。  

今回の買収劇は、台湾では友好ムードで歓迎されている。日本と台湾が対等の関係で、世界と共闘できる時代を喜んでいるようにも見える。「郭董の4年来の夏恋実る」「10兆元企業も夢ではない」「シャープの技術+鴻海の大量生産で抗三星(打倒サムスン)」「IGZOで砲撃韓廠(韓国工場)」「聯日抗韓(日本と台湾が連携して韓国に対抗する)」などなど台湾はお祭り騒ぎだ。

4月13日の台湾の新聞には、「将来MacBookでIGZOの採用が決まる可能性があり、IGZOの受注が三倍に伸びる」と早くも相乗効果が現れていることを大きく報じている。

一方の日本は 台湾からやってきた「黒船・鴻海」を敵として駆逐しようとするのか、はたまた新しい時代のパートナーとして手を握ろうとするのだろうか。