これが本当の「ガン10年生存率」だ〜部位別・年齢別に一覧表にまとめました

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さらに、肝臓がんの表で5年生存率と10年生存率を比較してみると、他のがんには見られない、このがんの危険な特徴を知ることもできる。

肝臓がんの表中の、各年代の5年生存率と10年生存率を比べてみてほしい。50代の男性で、ステージⅠの肝臓がんと診断された人の場合、5年生存率は62・0%。約6割の人が5年は生き延びるということになる。ところが10年生存率になると、27・8%に急落してしまう。これは、たとえば大腸がんで同じ50代男性、ステージⅠと診断された人の5年生存率(98・8%)と10年生存率(97・4%)がほとんど変わらないのとは大違いだ。

前述の通り、これまで多くのがんでは、「再発もなく5年間、生き延びれば、がんが治ったと考えていい」と思われていた。ところが、肝臓がんは5年を過ぎてから再び暴れ出し、命を脅かすことがあることが、10年生存率と比較することではっきりと分かるのだ。

なぜ、肝臓がんは10年経ってもリスキーなのだろうか。それは、肝臓がんの主な原因の一つである肝炎ウイルスを駆除しきれず、がんの治療を行ったあとも、再び肝臓が攻撃され、がんが再発するケースが多いためだと考えられるという。

新しい事実をさまざまに読み解くことができるがんの10年生存率。

厳しい数字を突きつけられることもあるが、「絶望することはない」と前出の杉原医師は語る。

「今回の10年生存率のデータは、あくまで1999年から2002年に診断、治療を行った約3万5000人の症例を集計したものです。全がん協もホームページで注記していますが、それからすでに14年が経っていて、その間にがんの治療技術も格段に進んでいます。ですから、ここに出ている数値を見て、悲観する必要はないのです」

がんの治療技術は日進月歩だ。10年間の追跡調査を行うためには、必然的に10年前までに診断、治療を受けた人の「その後」を追うしかない。となれば、いま「がんです」と診断を受けた人やこれからがんが見つかる人については、この10年生存率が示す割合よりも、さらに高い確率で病を克服し、10年後も生き延びる可能性が高いのだ。