これが本当の「ガン10年生存率」だ〜部位別・年齢別に一覧表にまとめました

週刊現代 プロフィール

これがあなたの数値だ

医療技術の進歩によって、長く闘いつづけ、生還を勝ち取ることもできるようになった、がん。だからこそ10年生存率に、いま注目が集まっている。

だが、新聞やテレビで報道された数字と、実際のデータを見比べると、あることに気づく。

たとえば、冒頭にあげた胃がんの「69・0%」という10年生存率。これには、どんな人の10年生存率を示しているのか、何の説明もついていない。つまり、この数字は、患者の年代も性別も度外視して、15歳から94歳までデータの取れた男女すべてで計算された10年生存率なのだ。

だが、考えてみてほしい。「若い人のほうが、がんの進行が速いらしい」とか「男性の方が女性よりがんになりやすい」など、がんをめぐっては年代や性別による傾向の違いが、世間でも人の口にのぼっている。ならばすべての患者でザックリと計算された数字では、それが自分にも当てはまるものなのか不安になるのは当然だろう。

本当に知りたいのは、自分の年代・性別で、そのがんにかかったと診断されたら、どれくらいの割合で治るのか、という情報のはずだ。

そこで本誌は、公表されたデータを詳細に解析。男性のがん死亡数で上位4位までを占める、肺がん、胃がん、大腸がん、肝臓がんについて、男女の40~70代での5年生存率と10年生存率を表にまとめた。

まずは、表の見方だ。たとえば「友人は俺と同じ54歳だが、肺がんと診断されたそうだ」という場合。右の肺がんの表で、「50代」「男性」の「全期計」という生存率を見てほしい。10年生存率は33・1%だ。

さらに詳しく知るためには、友人が診断で肺がんの第何ステージと宣告されたかが重要になる。その下のⅠ~Ⅳの数字を見てほしい。ステージⅠなら10年生存率は72・6%だが、ステージⅡでは37・4%、ステージⅢになると23・4%と、生存率が大幅に下がっていくことが分かる。「全期計」の生存率は、そのすべての例をまとめて計算した数字に過ぎない。

もちろん、がんが進行しており、ステージⅢを超えていれば、事態は深刻だ。だが逆にステージⅠであれば7割以上の人は10年を超えて生きることができる。ここには大きな落差がある。

冒頭にあげたような、男女の性別さえ混ぜ合わせて算出された「肺がんの10年生存率33・2%」といった数字はあまりに大ざっぱで、大した意味を持たないことが、お分かりいただけただろう。